むかごのおこわ/12月7日(月)の食卓 晴れ
むかご
「セリの根は捨てないでね。」
突然話しかけられてびっくりする。
10時くらいに市場に行くと見かける料理人さんだ。
彼はときどき、歌いながら買物をしている。
「スティックセニョール、ステックセニョール♪これいくら?」
という具合に。
ふわふわしているけれど眼の奥には光があって、おもしろそうな
人だなあとは思っていた。
「キンピラにするんですか?」「おひたしー。このセリ水耕栽培
だから洗わなくていいの」「洗わないってねえ、そんなわけにい
かないわよねえ」女将さんが間の手をいれる。「洗っちゃうとい
たみが早いの。セリの根はほうれんそうの根と同じ、味が濃いの」
セリの根を一本ひきちぎって口にすると、ほんと、土臭さと清々
しい香りが鼻に抜ける。もったいないことをしていたな。
それにしてもだ、いつも誰かが力のこもった声で何かを教えてくれ
る。
ふむふむと神妙に聞いて、知識や知恵をふりつもらせてゆく。
ありがたいことです。
*
「むかごは僕わからない」といつもテーブルの前の席に座っている
人は言う。「料理屋は季節になると、むかごご飯を出すでしょ、こ
れがおいしいっていうのがわからないんだよ」とむかごのおこわを
食べながら言う。
その気持ちはわかる。確かに・・味のはっきりした食べ物ではない。
けれど、山の家で作ったむかごのリゾットはおいしかったのだ。
米は古かったし、調味料は塩と香りの抜けた黒こしょうしかなかっ
たけれど、湯気のたったリゾットは頼もしかった。
むかごのフォカッチャ作ってみようかな、と言うと「まずそうだね
え」と顔をしかめた。
----朝食----
りんご、ブルーベリーソースのヨーグルト
----昼食----
セリの根のおひたし(おいしかった!茹でて、醤油で和えただけ)
きりたんぽ鍋
----夕食----
むかごおこわ、カシューナッツ入り酢豚、大根の酢の物、船場汁
そちらのブログに伺います。
コメント、さらりと書けるといいのですが、考えがちな性格です(笑)
けれど、tanaさんのコメントは嬉しいです。