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日々の皿

2016年11月21日  曇り  15/12℃  

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銀杏






迎えにゆく。今日は鈴子さんと勝どき橋を渡るのだ。

ホテルの部屋には、朝のテレビがついていて、一晩過ごした

ほのあたたかさが煙のようにゆらいでいる。

お邪魔しているのが何だか気恥ずかしい。

窓際の円いテーブルの上には猫さんのカップラーメンの食べ

残し。

窓に顔を寄せて向こうを見ると、私が住んでいるマンション

が見える。

なんだか違う街にいるみたい。

勝どき橋もベルママンは高校の時修学旅行でバスの中から見

学しただけと聞いていたから、いつか渡りましょうと約束を

していた。

赤い金魚が泳ぐホテルのロビーの階段を降り、橋に向かって

歩いていると、猫さんはぴゅーっと走ってバスに乗った。

橋が揺れるのが恐くて自分の足では渡れないんだそうだ。

鈴子さんとおしゃべりをしながら橋に向かい、袂にさしかか

ったところで視界が開けると晴れやかに笑って、手すりに手

をあずけて風景を眺めている。

川面が煌めいて、いいお天気。

弟さんとこの橋の下を水上バスで通ったことがあるとおっし

ゃって、記憶を呼び起こすような顔をされた。

橋の真ん中あたりで「どこが開いてたの?」と足元を見て、

昔、船が通る時に開いたつなぎ目の上に立ったけれど、どう

いう仕掛けになっているのか、ここはバウンドするように揺

れる。

大きなトラックが通るとそれはもうかなり揺れる。猫さんは

これが苦手なんだと思うけれど、鈴子さんも「わあ」と声を

上げて「なんだか恐いわね」とおっしゃった。

高校生だった鈴子さんは、このつなぎ目がゆっくりと空に向

かって開き、船が東京湾に向かうのをバスの中から眺めたん

だろうか。その時歓声をあげたんだろか。どんな気持ちだっ

たんだろう。

橋の上のゆっくりと流れる時間を、横切るように歩いた、惜

しむように。

先にバスで橋を渡った猫さんは桜の木の下で色づいた落ち葉

を前足で集めて遊んでいて、目が合うと「にゃあ」と言った。

穴子を予約するのに市場に付き合ってもらって、猫さんは、

アジフライが食べたいというので場内の揚げ物屋さんで朝ご

はん。

ベルママン/ホタテフライ、猫さん/アジフライ、私/メンチカ

ツ。ビールを飲みながらアジフライを待っていた猫さんは皿

が運ばれてくると顔を崩して喜んだ。

店の中から往来を眺めていると、ここもまた見慣れた風景の

はずなのに、どこか知らないところに来ているような気がし

てくる。




―たくやさんの昼---

○チーズスパゲッティ半熟卵のっけ

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―夜----

近所のとんかつ屋で、カツ丼。

たくやさんは、カツとじ定食。

ご飯の上に強いものがのっている丼を食べると、

少なくなっていた体力に明るい兆しが現れます。





by hibinosara | 2016-11-21 23:37 | Comments(0)