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日々の皿

2016年12月29日(金)  くもりのち晴れ  14/2℃

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カンパチ





見覚えのない魚が買い物籠に入っていた。

それもおっきいの。尻尾がだいぶ籠からはみ出しているよう

なの。間違って入れたんだと思って、ご主人に言うと、こっ

ちを、ちらーと薄い横目で見て「んんう、うんん、もってい

きなよ」というようなことを言葉にならないようななってい

るような風におっしゃった。あんまりびっくりしたのでどっ、

と汗が出る。うろうろする。でもこんな立派なのはいただけ

ない、という風なことを口走ると「こんなんじゃうちだって

潰れねえから大丈夫だよ」と今度ははっきりとおっしゃった。

帳場の女将さんも横の窓から顔を出してニコニコしてらっし

ゃる。汗はどんどん額ににじむ。ちょっとしたやりとりがあ

ったけれど、ありがたく頂戴することにした。

ああ、びっくりした、ああ、嬉しい、ああ、暑いと、ふらふ

らしながら食堂が並んだあたりで待っているたくやさんに近

づいてゆき、魚の尻尾を見せて自慢する。

少し早いお昼を、ここいらで食べるつもりだったけれど、ど

こも行列。

そうだ、と地下のグリルに向かうとちょうど一席空いていた。

年末らしい賑わいで、広い店内を店の人は右往左往している。

作業服姿の男たちがほぐれた表情で一日の終わりの酒盛りを

していたり、市場の男が定食をかっこんでいたり、おじいさ

んから孫まで家族で大テーブルを囲んで和気あいあいとして

たり、観光に来ている女二人がたのしそうにメニューを見て

いたり、好きなものを好きなように時間をかけて一人黙々と

食事をしている男がいたり、私たちのように一日を始めるご

飯に来ていたり、職業も年齢もまちまちで、二十四時間始ま

りと終わりの異なる生活をしている人たちが、同じ空間に腰

を下ろしているその光景がなんだか愛おしかった。



少し早いお昼

たくやさん オムライス

私     カツカレー



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いただいたお魚は多分カンパチ。

ワラサかもしれないけれど、顔はカンパチ。

体で見分けることは私には難しい。

それにしても、魚の鱗は、波立つ海そのものを映しているみたい。


豆腐と白菜とネギお鍋

カンパチお刺身


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すごくイキがよい。さっと湯にくぐらせてみたけれど、やっぱりお刺身がいい。


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最後はカンパチ漬け丼。

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by hibinosara | 2016-12-29 23:40 | Comments(0)