2017年3月10日(金) 晴れ 15/3℃
テーブルビート
きらり、きらり。
ビルとビルの細い隙間からあらわれる朝の光がまぶしい。
ずいぶん太陽の昇ってくる位置が移動した。
日の出はもう見られず、今はたぶん高層ビルの裏手あたり
から昇っているんだと思う。
大好きな冬の光の季節は終わって、今は冬とも春ともつか
ぬ特徴のうすい光。
肉やに行く前にポストをたしかめる。
あった。Dさんからのハガキ。
ダウンジャケットの内ポケットに入れ、胸に手をあてて出
かける。
コーヒーを作るという文字並びをはじめて見たのは、村上
春樹さんの何かの本で、コーヒーはいつも「いれる」とい
う言葉を使っていたから、その言葉を当てていることを不
思議に思っていた。
つぎにそれを見たのは村上春樹さんもかよっていたDさん
の青山の珈琲店が立ち退かなければならなくなり、店を閉
めるときに出版したご著書だった。
そして三度目は内ポケットに入れたお葉書で。
「コーヒー作ります」
ボールペンで書かれた文字の核心に、明確に確かに珈琲を
作るという意思を感じて、胸が熱くなった。
昼
・夕べのささみカツ、肉やのメンチカツとポテトコロッケ
・ビートのサラダ
甘い塩、オリーブオイル
ビートは未知の野菜。これで二度目。前回は赤色ビート。
最初は甘く、ここちよくかみしめるうちに、土臭さが現れる。
それでも赤いビートよりは少ない。
その味わいはほうれん草の赤い部分に似ている。
形は蕪に似ているが、アブラナ科ではなくアカザ科。
ほうれん草はアカザ亜科、スイスチャードと同じアカザ科フダンソウ属。
油を使って、じっくり火を通した方がよいのかも。
もうすこし知りたい野菜。
・夕べの茶碗蒸し
・すこし残っていたにんじんご飯
肉やのコロッケには、肉やの揚げ油の匂いがしてなつかしい。
とくべつにおいしいというわけではないけれど、肩の力のぬけ
たよい味で、なにより、あのご夫婦の姿が浮かぶと、愛おしい
ようなあたたかいような気持ちになる。
夜
・タンメン
・餃子