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日々の皿

2017年4月30日(日)  晴れ  24/11℃

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ピンクペッパー





お屋敷街のKさんのお宅で、今日は春のお食事会。

庭にはうすむらさき色の花が一面に咲き乱れ、夢のような光景。

造りすぎず適度にあれているところが好きでたまらない。

庭ばかりみて、ぼんやりする。

やさしい瞳をした老犬ポンタ(15歳)は耳が聞こえなくなっ

ていた。

ポンタはキジ猫の「わさび」にいじわるをされて階段から落ち

たりしているらしい。なのだけれど話を聞くとわさびは傷心の

猫。威嚇してばかりのわさびが急に愛おしくなる。

ポンタに今日はずいぶん肉をやった。

テーブルの向こう端から、ポンタのせつない目が「肉」と訴え

て口をあけたまま息をあげている。肉をちらつかせるとKさん

と髭の人の腿や足先を踏み越え肉めがけてやってくる。

肉をやりながらポンタの首に手をまわして撫でる。毛の感触が

なつかしい。犬の毛に鼻をうずめ匂いを吸い込む。どうしよう

もなく犬の匂いがする。ポンタがもっと肉が欲しいと鼻をなら

すと湿り気のある息で腕がじわりと生あたたかくなる。肉球は

焦げたような匂いがして、どこもかしこも、乾いた鼻先きもカ

ールした髭もすべて犬で、犬はどうしてこうもせつない生き物

なのか。

塩辛い肉を食べて、喉が乾くと庭の池に水を飲みに行き、間断

なく舌で水をすくっている音が聞こえてくる。

「もう15歳だから好きにさせる」というKさんの言葉に甘えて、

みなで肉やケーキやアイスクリームをやる。

キジ猫のわさび、玄関まで送ってくれる(あとで髭の人は、あい

つ本当は仲良くしたいんだよ、と言っていた。私もそう思う)。

邸宅を出ると目の前の暗い空にぽっかり浮かぶ三日月。

「月、月」といってみんなに伝える。

ポンタ、Kさん、Eさんが駅まで送ってくださる。ポンタはけだる

そうだ。

地元の駅に帰って空を見上げると、さっきの月と同じ月。


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池に水を飲みに行くポンタ

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春のお食事会

イノシシの頸のところの煮込み(脂と筋が一体になったようなおいしさ)、

イノシシの赤肉の煮込み、皮をパリッと焼いた鶏もも肉、トマトを彩った牛ステーキの皿、

おから、にんじんとリンゴの甘酸っぱいサラダ、ピクルス、ふかしじゃが芋バター添え、

生春巻き(生ハム、レタス、ニラ一本)、ちらし寿司、特別な卵のかけごはん、

豆腐と鶏のしんじょ、イノシシ汁、池の淵に生えているセリのお浸し、思い出せる皿だけ

記す。

デザートはお手製のシフォンケーキアイスクリームとイチゴ添え。

Eさんのちらし寿司と、Kさんの生春巻きは大の好物。

秋にはうちでお食事会をする予定だけれど、こんなにいっぱい作れないなあ。



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生クリームやバターをたっぷりつかう菓子は当然おいしいの

だけれど続くと疲れるので、ふだん手軽に食べられるレシピ

を探していたときに見つけた卵も乳製品も使わないミトルカ

ルナさんの本。

この間はカルダモンのクッキーを焼いた。

ハーブがそこはかとなく香るクッキーとは対極にあり、目を

見開くほどのカルダモンの迫力と紅茶の香りに魅了される。

今朝はピンクペッパーバニラクッキーを焼く。

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和歌山のNさんから赤糖房。

フルーツトマトのような甘さとトマトの青臭さい匂いの調和が

素晴らしいと、いただく度に思う。

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・じゃがいもと新玉ねぎのサラダ

・トースト


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by hibinosara | 2017-04-30 16:23 | Comments(0)