9月9日(土) 晴れ 29/21℃
重陽の節句。
仕事先に行くと、ソーテルヌに黄色い食用菊を浮かべて出してく
れた。
その組み合わせの発想に驚いたけれど、味の組み合わせにも「は
あ」と感心した。
ソーテルヌの甘さとそれをささえる酸味に、菊の花の香りと苦味
が複雑にからみあっている。ソーテルヌは目の前がふわっとなる
お酒だけれど、菊の花の香りも目の前でふっとひろがって、これ
で長生きできる、とは思わなかったけれど、よい風味だった。
私も朝、市場で菊を買った。
「もってのほか」を手にしていると、みんなに「高い、高い」と
止められた。社長は帳場の内側の値段表を見て「900円、やめ
といた方がいいですよ」と言った。それは高い!と驚いて思わず
元あった場所に戻して、色の似た金時草をながめていると「菊は
いつもの4倍の高騰ぶりすよ。なんかあるんすか?」と訊かれて
「今日はお節句だから」と言うと目を丸くして「そりゃあ、無理
してでも、なんか節約してでも買った方がいいすよ」と今度は勧
められた。節約は魚でした。水産部を通って帰る道すがら、イワ
シのよく太ってピカピカのが、四尾500円だった。
絵描きの先生が「◯◯はね、もう見るっていうことが違うんじゃ
ないかと思う」と話しているのが耳に入ってきた。「見るってい
うこと自体が天才なんじゃないか、と思うんだよ。もちろん絵も
天才なんだけどねえ」と力説した。私はおもわずファインダーか
ら目を外し、思わず先生の顔を直に見た。◯◯のところがよく聞
こえなかった。今朝、目について、見ることについて、考えてい
たからその人の名前を知りたくて仕方なかった。
仕事が終わったら訊ねてみようと思っていたのに、バタバタして
いるうちに忘れてしまった。
◯◯の頭は「は」だ。
かすかな音の記憶や口の動きを思い出してみる。・・・速水?御
舟のことかな。そうかもしれない。
昼
・もずくスーランタンメン
もずくは沖縄の。ラーメンには青森の糸もずくの方がとろみもついていい。
これで夏前にストックしたスープはおしまい。
今日のストックは鶏の「もみじ」だけでつくったの。味は変わらないけれど、
香りが独特。コラーゲンの匂いというのか、むんとしている。当然濃厚で口の
周りがぺとぺとする。
・茄子の浅漬け中華風
・のこりもののキンピラごぼう
夜
・イワシのお刺身 生姜添え
・茄子揚げ浸し
今日の茄子は京都の田辺茄子。果肉がやわらかくて安価でおいしい茄子だ。
・島豆腐の奴 バットに並べて茶漉しで塩を振り、しばらく置きます。
・茶豆
・もってのほかのおひたし
・お揚げと玉ねぎのお味噌汁
・たきたての飯
そちらには、こんな紅色の食用菊が あるのですね!
私は 黄色の食用菊を ほんの少ししか手に入れられませんでしたが…。素敵な色のお節句料理だと思います^ ^
ソーテルヌに黄色い食用菊を浮かべて…粋なおもてなしですね^ ^
小菊のようなもってのほかは私もはじめてなのですが、たいていは7センチ〜8センチほどあります。山形県産です。
苦味がすくなくて、食べやすいのです。
黄色も品薄だったのですね。ここ数年ずっと重陽の節句のころは「苦しいところ」と八百屋さんはおっしゃいます。
ソーテルヌと食用菊、すばらしかったです。