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日々の皿

2月3日(土)  晴れのちくもり  8/2℃

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朝、プリント。

インクのりが悪くて細部がぼんやりしている。はっきりして

いるのがいいわけじゃないけれど「パンッ」と来ない。

プリンターの二台ともで、試してみたけれどあんまりよくな

い。

髭の人に見てもらうと「まあ」と言う。

カレンダーだからそんなに画質を追求しなくていいんじゃな

い?の「まあ」だと思う。

中森さんにお送りする。


人形町の交差点に立つと髭の人はきょろきょろした。

記憶にある街並みと違うんだと思う。

わたしはこの間この辺りのクリニックに来たから、どこに立

っているかわかる。

目印は、刃物屋と牛カツ屋だ。

髭の人も刃物屋を指差し確認してから歩き始めた。

表通りはずいぶん様変わりしていたけれど中通りはだいたい

記憶のままで街灯や、店の看板のあたたかい色の電灯がうす

暗くなりはじめた通りを照らしていた。

豆腐屋にお茶屋に三味線屋。草履屋に行李屋にごま豆腐屋。

煎餅屋にいなりや巻物なんかの寿司屋。洋食屋に定食屋。

渋い居酒屋も個人の店が幅を利かせている。

いいねえ、スリッパ履いてぺたぺた歩きたいねえと言いなが

ら私たちは浜町の藪蕎麦に向かった。

冬のうちに鴨南蛮が食べたいんだそう。

ひさしぶりだな、浜町藪。

「いらっしゃーい」

高らかな声が迎えてくれる。

私はさんざん迷って上天丼にした。

ここの江戸前の天丼は無駄がなくて好物の一つ。衣の感じと

油の配合がすこし変わったみたいだけれど、おいしかった。

蕎麦は相変わらずの美味。蒲鉾は大手のを扱うようになって

いて時代を感じた。あの練り物の「つくごん」だって廃業す

るくらいなんだものなあ。

公園沿いのドイツパン屋に寄って、ジャムパンやいちじく

パンを買う。土曜日夕方の15%引き。

てれてれ歩いていると「福は〜うちー、鬼は〜そとー」の

声が夜空に響いている。

わたしたちは早足で水天宮に向かい、階段を駆け上る。と目

の前には黒山のひとだかり。

「もうそろそろ終わりですよ〜。福は〜うちー、鬼は〜そ

とー」スピーカーの声が耳もとでさらに大きく響く。

「あ、まだ少しお菓子があるそうです」と巫女さんや神主

さんが菓子を高く放っている。

空を飛んでくる豆菓子やスナック菓子をたくさんの手が待

ち受けて、より高くあがり右にゆれ左ゆれ受け止めんとし

ている。指先をかすめ、下に落ちた菓子にはいっせいにい

くつもの手が伸びてくる。巫女さんたちはにこやかに、端

っこや目の前や遠くにもまんべんなく放る。

街の人たちのための豆まきだ。眩しい豆まきだ。


ざわめきの残る境内をまっすぐ進んで神殿に向った。

「おひさしぶりです、今日はありがとうございました」と

神様にご挨拶をした。

この間来た時は、淳さんと愛ちゃんと四人で来た。愛ちゃ

んのおなかには、六熊ちゃんがはいっていた。

「人形町ってやっぱりいいね、何か空気が丸いよね」と髭の

人に言うとうなずいて「うん。そうだね」と感覚を言葉に

置き換えようとしている顔をして「しなやかっていうかね、

ひさしぶりに来たから余程感じるねと」と言った。

わたしたちも家に帰って小さな豆まきをした。

「だから福はうちからはじめるんだよ」と叱られながら撒い

た。



昼は

・なめこうどん

 粘膜にやさしいなめこをたくさん食べる。


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ほかに

・蕪浅漬け

・梅干し、塩こぶ、燻り豆腐

・やっぱりおいしい、奈良漬の粕につけた鶏肉の焼き物。

 あたたかくても、さめてもおいしいなあ。

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夜は

浜町藪で

・髭の人 鴨南蛮

・私   上天丼

髭の人がお酒をのまなくなってから、蕎麦屋でちょいと一杯

というの、なくなってしまったな。

そうか、一人でそういうこと、するといいのだな。

タイミングが難しいけれど。


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by hibinosara | 2018-02-11 10:09 | Comments(0)