7月10日(金)の食卓 じつにひさしぶりの晴れ
なめた鰈
母はよく、ババカレイがおいしいと言っていたけれど、そのカレ
イを関東ではなめたカレイと呼ぶことを調べるうちに知った。
ババは婆のことらしく、外見がうすぎたなく(大量の粘液を出す
ため)、皮もぶよぶよして老婆のようだから、ババカレイ。
なめた、にはどんな意味があるんだろう。
けれどぬるぬるでいえば、いつか食べたサメカレイには負ける。
あれは映画エイリアンの気持ち悪さを思い出させた。洗っても煮
ても皮のぬるぬるは消えず、ねばねばと糸をひくままに食べた。
このなめた鰈は全長40センチ弱だから、8歳から9歳くらい。
その間海の底でなにを考えて生きていたんだろう。
そんなことを思うのは、包丁を入れようとしたとき、赤く血走
った目と、目が合ってしまったから。
魚というよりカエルの目に似ていた。それも低い声で泣き緩慢な
動きをするガマガエルの目だ。生きることについて深く考察する
哲学者のような眼差しをしていた。
----朝食----
・ブルーベリーヨーグルト
----昼食----
・お餅とお揚げのお蕎麦
----おやつ----
Iちゃんと行った原美術館でサイトゥンボリーの”イメージデザート”
というもの。正方形のもも色のムースにゼリーで花が描かれていた。
そういうものを食べてみようという気に初めてなった。
----宴----
・枝豆
・ポテトサラダ
・湯葉豆腐
・浅蜊の煮浸し
・勘次郎胡瓜の浅漬け
・らっきょう
・鯵刺身
・なめた鰈煮付け
・白いご飯とお味噌汁
・デザートは桃とヨーグルトのアイス