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日々の皿

新幹線のお弁当/11月10日(火) 盛岡は晴れ

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9時の新幹線だから、崎陽軒のシュウマイ弁当はまだほのあたた

かいだろうし経木のいい匂いもぷうんとたちのぼるだろう。

東京駅に向かうバスのなかで、わたしはもうお弁当のことしか考

えてない。

お弁当は崎陽軒のシュウマイ弁当と決めていたのに、直前になっ

て迷った。

新幹線の出発まで時間があるのもいけない。

お弁当売店をあちこち見て歩く。けれどどのお弁当を見てもどこ

かが不満で、ならばいっそ崎陽軒の横浜中華弁当にしようと英断

を下そうと思うのだが、シュウマイが一個しか入ってないのを見

てせめて二個じゃないと、とまた迷う。

けっきょく、鶏めし二段弁当とおーいお茶を買った。

去りかけたお弁当の売店にターンをして、崎陽軒の特製シューマ

イも買う。そして、新幹線のホームで特製いくらおにぎりも一つ

買った。

計画では、新幹線にのってすぐに特製いくらおにぎりを食べて小

腹をつくり、景色を楽しみながらしばらく時間をあけて二段弁当

に手をつけようと思っていたのに、止まらず包装紙を開く。

一段目に海老フライ、ちくわ天、さかなの天ぷら、かぼちゃ煮、

枝豆が一つ、ひじき煮、たまご焼き、白くてぐにゃっとしている

もの、ポテトサラダ、もう一段には鶏そぼろと錦糸卵がのったご

はん。

脇目もふらずお弁当に没頭して、景色が目をよぎったとき、はた

と恥ずかしくなり、わざとらしく外に目をやる。

特製シューマイにも手がのびそうになったけれど、やめる。


夜は盛岡の桜山神社の参道の入口近の、おでんがおいしいと噂の

はたご屋で。

日本酒は鯉川とすえもんを注文する。

まんぼうのお造り、どんこのお造り、おでんは、おとうふ、だい

こん、糸こんにゃく、ひりょうず、たまご。

はたご屋の店主の工藤さんは、囲炉裏みたいな人だった。

彼の人柄にひきよせられるように人が集まるのだろうなあ。

おでんはどれも100円。その値段にもびっくりするけれど、て

いねいに作られて、たとえば豆腐。黒くなるまで味をしみ込ませ

た豆腐に、おぼろがたっぷりと柚がいっぺんのっている。

〆はおでん出汁のお茶漬け。これもおいしい。

真似をしようとひそかに思う。

〆はもう一つ、ホテルの近くの中華屋で味噌ラーメン。


by hibinosara | 2015-11-20 08:11 | Comments(0)