たたみいわしのお茶漬け/1月24日(日)の食卓 晴れ
たたみいわし
すだれを上げ、窓の取っ手を握ったまま光を両胸にうけて放心
する。
お日様をじわじわ皮膚に滲ませているのが気持ちよい。
川面のさざ波がきらめいて、春みたいにのどかな天気だ。
お昼は、夕べのつみれと、ふきのとうの素揚げをのせたお蕎麦
にした。
ふきのとうのつみれからは今日も春が飛び出してきたけれど、
ふきのとうは春そのもので、噛みしめる度にその鮮烈さにオオ
と目が見開いた。
恩寵というのかお昼を終えた昼下がり、鼻腔にふきのとうの香
りが渦巻いた。
間断なく香っていたかと思えば、ふと失せて、ああもう終わった
なと思うとまたふきのとうの微風があらわれて顔を春にした。
ベランダの物干には洗濯機二回分の洗濯物が手足を伸ばしている。
こたつに座っているここから見える空の右の方から、平泳ぎをし
ている男の雲がゆっくりと東に進んでゆく。
しばらくして顔を上げると、男はほどけて、牙の生えたいのしし
の横顔が浮かんでいた。日が長くなってきた。
「これ、まだ大丈夫?」と訊かれたのは、いつかの熱海の土産
のたたみいわし。
まだまだ大丈夫だったけれど、開けて食べてみる。
青のりの風味がよい。
- 召し上がり方 -を読み上げる「小さくきざんで醤油を少々つ
けてご飯のお菜、お酒、ビールのつまみ、またお湯をそそいで
お吸い物・・」お茶漬けにしよう、とこたつから抜け出し、い
そいそと夕食の支度を始める。
----朝のごはん----
ブルーベリーソースがけヨーグルト
----昼のごはん----
春蕎麦
(ふきのとうのつみれ、ごぼうのつみれ、ふきのとう、蓮根)
ほうれん草のおひたし
----夕方のごはん----
いわしの煮付け、たたき蓮根としいたけの煮物、昆布巻き、
蕪の酢の物、お漬け物
たたみいわしのお茶漬け
たたみいわしは、お出汁ではほどけずごわごわした。
細かくするとよかった。
いわしの煮付け。
よく脂がのって、おいしかったー。
今夜は満月。