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日々の皿

2016年5月9日(月)  くもり 

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わらび






わらびは北斜面には生えないんだそうだ。

「じいちゃんの山」に入る入口の辺りは日当りがいいから、

(と、言われてもよくわからないのだけれど、じいちゃんが旅

立ったあと、じいちゃんを懐かしんで山を散策して戻ってくる

とちょうど里との境界線に、まだしっとりして脱皮したばかり

のきれいな蛇の皮が形のまま残されていて、じいちゃんは山に

入ったのかもしれないねとめいめいが無言で想って佇んでいた

辺りだろうか)わらわら生える、とたくやさんは言う。

意外だった。先っぽのくねった形から想像すると、くもり空が

似合うし、だからどちらかといえば日影を好みそうに見えた。

わらびは、北海道にだって生えているはずだけれど、父はアイ

ヌネギ(行者ニンニク)やたらの芽、蕗のような香りも味も強

い山菜を好んだから、淡い味わいのわらびはあまり食卓に上が

らなかった。

だからはじめてわらびの灰汁抜きを見たのは、じいちゃんの家

の薄暗い風呂灼き場のたたきに、泥水が張られたバットから灰

色を纏った植物が引き上げられたときだ。

それは泥水ではなく灰で、灰まみれの植物を水に放って洗うと、

水のなかでおちついた緑色を現して「これがわらび」とおねえ

さんは教えてくれた。

その諧調は見飽きず、水のなかで緑色を放っているわらびを台

所に何度も見に行った。

わらびを、じいちゃんの家では煮物やおこわにした。

おこわは私の大好物で、わらびのほかには姫竹や数種類の具が

入り、ごま油で餅米を炒めているから、香ばしくて食べても食

べてもいくらでもお腹に入った。

わらびの料理をするようになったのは、その後ずいぶん時が経

ってからだ。

どこかの料理屋で「わらびのたたき」を食べてがぜん自分でも

作りたくなり、山の上の友だちのところで料理の話になった時、

灰が手に入らない、となにげなく言うとSさんはびっくりした

ような顔をして「いくらでもあるわよ」と薪ストーブを指差し

た。

今日使った灰は伊豆のKAZUさんの家の薪ストーブの灰。

山の上の友だちの灰より赤っぽくて荒いから、燃やしている木

が違うんだろう。

来月は法事がある。そうしたら灰小屋から灰をすこし分けても

らおう。

じいちゃんの家の灰はどんな色をしているのかも、たのしみ。


体重 -200g  2ヶ月で三キロ減。  あと、6キロ。


山形の真室川直送の太くておいしそうなわらび。


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----昼----

○焼き物 キングサーモン、味噌漬け

○すじこ 

○納豆と玉子 万能ネギをたっぷり

○若芽酢

○沢庵一味漬けと梅干し

○みそ汁 油揚げとネギ

○炊きたての白米


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----夜----

○とりそぼろ丼

○沢庵一味漬けと梅干し

○干し椎茸旨煮

○お味噌汁 とろとろの新玉ねぎ



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わたしは食欲がなくて、お味噌汁だけをよそう。

お行儀は悪いけれど、白いご飯を入れたい欲望がむくむくと湧いた。

とりそぼろ丼を食べている人がにやりと笑って、「ほんとは冷や飯

が合うんだよ」とおしえてくれる。

お味噌汁かけご飯、胃の腑が”ほっ”といいました。



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by hibinosara | 2016-05-16 10:34 | Comments(0)