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日々の皿

2016年8月23日(火)  曇天  30/24℃

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ローザ・ビアンカ






泥色に増水した川は、ゆるやかに海へ向かっている。

台風の翌日は倒された木や風で飛ばされたマットやらがぷか

ぷか流れてくる。

ふだんは川に流れがあることを忘れているのだけれど、通過

して行くものを目の前にして上流でおこったことをほんのす

こし想像することができる。

けれど、今日の川はただ濁っているだけだ。それはそれでど

こか恐ろしい。

ノドをくるくるまわして空の色を瞬時に変える声を持つ鳥が、

今日も高く鳴いている。この鳥はこうして多くの人の耳に記

憶を埋めて、また去ってゆくんだろうな。


いろいろなことが一段落したので、鈴子さんの誕生日のプレ

ゼントの下見をしがてら、好きな店にゆき見たかったものを

見る。

キッテの博物館で気になっていた阿部正直の雲の写真と「雲

と富士の立体写真」の延々と続く雲を覗き、ポストカードを

一枚買い、剥製を見つめ、ミンククジラの骨を見上げ、パプ

ラニューギニアのうつくしい槍に見ほれた。

スパイス屋でクミンとアニスシード、淡路物産展で淡路の玉

ねぎを買ってオニオンスープの試飲をする。

それからVIRONに寄ってバケット1本。

ふだんと同じことをしているようだけれど、ゆっくりまわって

いる気分がいい。

MUJIに寄り、石牟礼道子の「食べごしらえ おままごと」を

持ってレジにゆくと、どういう加減か玉ねぎをごろごろ床に転

がした。

松屋銀座の地下に降りると、色白のむっちりした肌の崎陽軒の

店員さんが通路を歩いていてその背中に付いて行きそうになっ

たけれど、肉まんがあることを思い出してとどまる。

私はこの人が大好きで、崎陽軒の前を通ると必ずながめてしま

う。

引目鉤鼻おちょぼ口に真っ赤な紅を引いて表情がある方ではな

いけれど、シュウマイをおいしく見せる看板のような風貌をし

ている。


オニオンスープの試飲をしたとき、このところ恋しいと思って

いたのは、こういうものだったとわかった。

まだ暑いけれど、すでに秋らしく寂しくなってきているから、

胸におさまってほっとする食べ物がほしくなりはじめている

んだな。


体重 -500g

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ゴーヤ1号


----朝----

○島バナナ



----夜----

○ローザ・ビアンカとブラックオリーヴのショートパスタ

 塩、黒胡椒、バジリコ、クミンパウダーを少々。


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○トマトとキュウリのピクルス

○ソーセージ、ジャガイモ、タマネギ

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髪を一つに束ねて瓜形の眼鏡をかけた八百屋のおにいさんは、

「イタリアの茄子はやっぱりイタリアの味がします」と言っ

た。日本の風土で育ったものはどうしたってどこか日本の味

になるものだと思っていたけれど、そういわれると食べてみ

たい。

果肉はしっかりして、紫へた茄子や賀茂茄子や水茄子に似て

いると思う。香りは高い。ふわんと香る。それはどちらかと

いうと茄子というより寡黙な花のものだ。そして吸い付くよ

うにねっとりして甘く奥行きがある。日本の茄子にはない味

わいかもしれない。

ローザ・ビアンカ、いつかイタリアで食べてみたい。





by hibinosara | 2016-08-24 18:30 | Comments(0)