9月13日(水) 晴れ 31/22℃
カボスを手にしてごきげんの、写真の中のむくちゃんはもう少年
だった。
結婚式に参列するむくちゃんは、いっちょうまえに蝶ネクタイを
して、千鳥柄のシックなスーツを着ていることもあるけれど、そ
れでも、赤ちゃんから、男の子の表情になっていた。
涙がにじむ、うれしくもさびしい気持ちで。
むくちゃんがまっすぐ大人に向かってゆくのを感じたとき、お酒
を贈りたいと思った。
十九年の時を耐える、むくちゃんと同じ年の生まれの2016年の
酒米で作ったお酒。
お酒は酒屋さんに相談して決めた。
いつかむくちゃんも二十歳になると思うと、じん、とする。
その間、わたしもしっかり過ごさなくちゃ。
六熊ちゃん、一歳のお誕生日おめでとう。
三百六五日の時間、愛おしいなあ。
朝
・ブルベリージャムのトースト
昼
・ワンタン麺とキュウリの酢漬け
ラボ屋に現像出しを終えた髭の人と、納品を終えた私のタイミング
はぴったりだったから、「わしたショップ」の前で待ち合わせをし
て、さいきん読んだ「東京とんかつ会議」に載っていた交通会館地
下の「あけぼの」に向かう。
すてきな人がトンカツに関わっていた。
すてきな人は二人、二人とも男の人。二人とも品のよいおだやかな
トンカツ屋さんだ。
二人のなかで主役と脇役はしぜん発生的に決まっているようで、店
を仕切っているのはトンカツ屋さんらしくない「にっこりとおちつ
いた笑顔」を浮かべながらゆっくり話す人で、その笑顔はサービス
業には違いないけれど、どちらかといえばトンカツ屋のものではな
く「バー」や「ホテル」、もしくは「貴金属店」向きの口角をきゅ
ぅっと上げるにっこり具合だから、店に不思議な雰囲気を作り出し
ている。
映画になりそうなトンカツ屋、と私は頭の中でつぶやいた。
主役の人の白い帽子には串揚げの串が三本刺さっていて、それが何
に使われるものか気になって、気になって仕方なかった。帽子の形
を支えているのかもしれないし、串を刺す時に取り出すのかもしれ
ないし、まったく想像できない出番があるのかもしれない。いつ抜
かれるのか注意していたけれど、けっきょく串は帽子に刺さったま
まで謎が残った。いつか確かめにいく。
トンカツのあと、髭の人は帰り、私は日比谷図書館に向かう。
もう日も暮れて、お濠の白鳥が薄闇のなかできれいだった。何かく
れると思ったのかそばまで寄ってきたけれど、「こんばんは」と声
をかけるばかりだったから、なーんだという顔をして、すーっと去
って行った。
とんかつは、髭の人は上ロース定食、私は串カツ定食とビール一本。
グランマリカが大きく手を広げて待っていてくれる姿が見えて
それを思うととても勇気がわき、
六熊も私も一歩一歩 一生懸命生きようと思いました。
いただいたお酒はアトリエの冷蔵庫(膠用の小さいのがあるの、膠とお酒が入っています。)で静かに時を刻みはじめました。
20歳になるまでにはきっと
かあかあなんてだいきらい、
や
オカンうっとーしいねん、
なんてこともいろいろあるんだろな。
そして、20歳、
またすこうし違う関わりもはじまりながら
盃を交わせたらどんなに幸せでしょうか。
本当に嬉しいプレゼント、涙が出ます。
ありがとうリカばあば。
六熊ちゃんが二十歳と思っただけで、胸がいっぱいになります。
ありがとう、愛ちゃん。
アトリエの冷蔵庫!(のぞいてみたい。ふふふ。)
そこで、時を刻み始めたんですね。
大人になったむくちゃんと、私も盃を交わしてみたいです。
この間のまるこめちゃんの写真から大人になるところが、想像できました。
やわらかなほっぺも、きゅっとひきしまって男の人になるんだなあと。
それまでにあるんだろうねえ
かあかあきらい
とうとうもきらい
みーんなやだー
とか 胸がいっぱいになってしまうなあ。
こちらこそありがとう愛ちゃん。
大切な人がこの世にいてくれることの幸せ!