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日々の皿

12日24日(日)  晴れ  11/5℃

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川向こうの落葉樹の葉っぱが、いつの間にかみな落ちてすっ

かり寂しいうす茶色の風景になっていた。

それでも今年は遅いような気がする。ベランダの山椒も柳の

葉っぱもまだ枝と繋がっているのが残っているし。

魔女が送ってくれた山の恵みを手のひらに取り、ぐるぐる輪

にして小さなリースを作る。一つは壁に飾り、もう一つは函

におさめた。

イブだから、鈴子さんのお見舞にする。

叔父の時もかんがえたことだけれどお見舞いは、光のような

なうつくしいものを贈りたいと思った。体や心にすーっと入

って慰めてくれるようなものがいいと思った。

けれどなにも浮かばなくて、結局叔父が好きそうな花を抱え

て行った。あの時は形のないものを贈るなんて難しいんだな、

とさびしかったけれど花には目には見えない、人を癒す何か

があることを今はわかる。

そういうものをにんげんの声もきっと持っているはずだから、

私はきよしこの夜を練習して、うたうことにした。

鈴子さんの好きな歌も知りたかったから猫さんにメイルでた

ずねると「いろいろあるだろうけれど、おまえに(フランク

永井)とか」しばらくして「あ、小椋佳が昔すきだったね」

と返事がきた。そうか、とyou tubeで探してすこし練習した

けれど違うような気がしてやめた。


白い大きな観音様が山の中腹にある駅で降りて、バスを乗り

継ぎ病院近くのバス停で降りると、目の前をしった背中の人

が赤いマフラーを巻いててこてこ歩いていた。

猫さんだった。

「ぐうぜんですね」と声をかけるとすこしふりかえって「ま

じですか?」とゆっくり言ったあと「ありがとう」と目を合

わせた顔は、妙に白かった。

鈴子さんは眠ってらした。

桃色の頬はふっくらとして、なに一つ心配などないような顔

でぐっすり眠ってらした。今までお会いしたなかでいちばん

安らかな鈴子さんの存在がぐっとせまって目の前に広がった。

大丈夫、と感じた。

起こしちゃいけないと思ってしまったけれど、今思えば小さ

な声でうたうとよかったな。きっと聞こえているはずだから。



朝は

焼きりんご



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昼は

山の魔女のクリスマスプレゼントの大好物のキッシュ

オーブンであたためると、ぷうんとバターときのこのいい匂

いが立ち上った。

髭の人は「おお、このパイがすごいなあ」と言って、薄く層

になっているのをパリパリおいしそうに食べた。

それにしてもまるごとのキッシュが食卓にのぼっているって

なんて贅沢なこと。

ほかには、牡蠣と栗のミルクスープ

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夕方、猫さんとすこし飲んだ。

一軒めは席が縦揺れする店だったから、すぐに出て、

やきとんの店に行った。

沖縄の焼酎や焼き物を注文する。


夜は

山の魔女のクリスマスプレゼントのもう一枚、玉ねぎ

のキッシュ。おいしかったなあ。

それから、オニオングラタンスウプと、春菊のサラダ。

しあわせ。

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by hibinosara | 2018-01-06 15:16 | Comments(0)