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日々の皿

1月20日(土)  くもりのち晴れ  10 /5℃

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どんよりした空にとつぜん朝日が輝きはじめ、とりかえたば

かりの蜜柑をついばんでいるメジロの緑色の羽がきらきらし

た。

きょうは大分からこの間のとはまた別の椎茸が届く。

きのこは好物だけど、きのこについてちゃんと考えたことは

なかった。ちゃんとといっても、大根を例にとってみれば、

アブラナ科の大根にはどんな品種があり、どの大根がどの季

節においしくなり、大根の部位はそれぞれどんな料理に向き、

保存はどうしたらいいのか、といった程度のことだけれど。

それでもきのこに取ってきた態度は積極的ではなかったと気

がついてきのう「きのこ料理」の本を一冊用意して、きのこ

を待っていた。

今日は、きのこの絵が頭に浮かんで(オレンジ色に白い斑点

の動物みたいな柄)、ジョン・ケージの顔も横についてきた

ので「きのこ音楽」なんてあるんだろうか、とYOU TUBEで

検索すると「ジョン・ケージ、きのこ的生活」というのが見

つかった。

「きのこは確かに死の世界にいますがそれはとても積極的な

意味でです」「もし空中にきのこがあるなら、常にインスピ

レーションが受けられますね」

なんていうわくわくすることを、三十年前のケージがおだ

やかな顔で言って笑っている。

きのこか・・・。


椎茸のための牡蠣を買いに魚屋に行くとご主人の姿が見えな

い。

待つ間斜め向かいの天然の活魚を扱う店で魚を眺めていた。

高値で買われてゆく魚は酸素を送られてぷくぷくと泡をだし

ている水のなかで、一尾一尾発泡スチロールに入れられてい

る。

魚はみな観念したような静かな目をして、尾びれとちいさな

横ひれをさわさわと動かして水にちいさな波を作っている。

その中でも一際目を引いた、発砲スチロールにようよう入る

ほど大きな「ほしがれい」の背中にはびっちりと星が散りば

められて、宇宙を映しているみたいだった。

あんまりきれいで壮大で、あぶなく涙がでそうになった。



朝は

・豆餅

 これが最後。

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昼は

・ニシン蕎麦

 ニシンはきせいひん。

 村から町から館で、おばちゃんが売っていたニシンや昆布

 巻きはなかなかおいしくて、大サービスの試食だったから、

 思わずふた袋買った。

・白菜と人参の甘酢和え

・昆布の常備菜



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夜は

・ジャガイモの簡単ガレット

 今夜は椎茸と牡蠣がお供なので、チーズはペコリーノロマ

 ーノを使う。


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・椎茸と牡蠣のアヒージョ

 ふしぎな椎茸だった。

 傘を持ったとき、指が埋まるほどやわらかくてふわりとし

 た感触が伝わってきた。

 軸を生食で味見をしようと輪切りにして、指先でちぎろう

 とすると「伸びた」。

 どこかの星からやってきた椎茸みたいだった。

 あなたは椎茸にみえるけれど、ほんとうは椎茸じゃないん

 ですよね、と話しかけたくなるくらい。

 きめ細やかでつるつるが心地よい舌触りに、もちもちむに

 むの食感。不思議なことにミルキーな味がした。

 おいしかったなあ。

 椎茸は大分のトヨチーニさんから。

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by hibinosara | 2018-01-29 09:50 | Comments(6)
Commented by na7-ko at 2018-01-29 11:54
りかさんのまねをして、私も牡蠣とアヒージョ(もどき)にしてみました。軸もひっぱってみました。伸びた!
おおおー、と思わず声が出ました。
どっしりと持ち重りがして、ぷりぷり、きゅっきゅっ、ふわっふわで、椎茸の概念がひっくり返りました。
今日は、空中にトヨチーニが浮かんでいる映像が目の前をちらちらしています。
Commented by hibinosara at 2018-01-29 12:13
ナナコさん
ナナコさんは、やわらかな椎茸を注文したのですね!!
ね、伸びるでしょう!!ちょっと驚きますよね。
知らない椎茸の世界に足を踏み入れた感じですよね。
ちょっと概念ぐらりですよね。
もう一種の方も召し上がったかなあ。
香り高い方。
そちらも大好きなのー。
メルローやグルナッシュやシラーみたいなしっかりした赤ワインにも合うのだなあ。あの香りが。
断面にじっくり熱を入れると、ポルチーニを彷彿とさせる香りが引き出されます。うちには今、その香り高きしいたけの軸だけが残っていまーす。そろそろ、例のオニオングラタンスープを作ってみようと思いまーす。
Commented by na7-ko at 2018-01-29 19:37
あ、歯ごたえがしっかりの方も、ふみさんが入れてくださったのです。
甘みと香りの違いにあぜんとしました。
どちらかというと、しっかりとした方の強い個性が好きでした。
りかさんが、以前軸のパスタを作ってらして、実は、椎茸の軸????って思ってたんですけど、いやあ、軸、最高!
Commented by hibinosara at 2018-01-29 19:47
ナナコさん
あー、よかったー。
しっかりさんの椎茸の香りをうまく引き出せると、ポルチーニのように翌日や翌々日まで鼻腔に香りが残るしいたけでした。
わたしは、しっかりさんが好きです。
やんわりさんもおもしろいけれど、忘れられない女(なんで女なんだ?笑)みたいに印象に残っているのは、しっかりさんです。
ね、香りは軸に凝縮していますよね。
Commented by na7-ko at 2018-01-29 20:26
おんなじだあ、嬉しい!
しっかりさんのあのかぐわしさは「女」のイメージですよ。

寒さで椎茸が大きくならないそうですね。
危機一髪でした。
Commented by hibinosara at 2018-01-29 20:47
ナナコさん
印象の残り方は「忘れられない女」的に残っているのですが、匂いだけを性別に例えると、どうだろう「ふたなり」かなあ。そんな感じがする。

そうなんですね。
その寒さで大きくならない椎茸、もしかすると香りはすごくよいのかも。と、どこまでも食い意地が(笑)。