4月13日(金) 晴れ 21/12℃
ベランダはすっかり春になっていた。
セージとタイムは狂い咲き、レモンは蕾を桃色に膨らませて
すでに一つ二つほころんでいる。オリーブにも小さな蕾が鈴
なりで、柳の新芽は生え揃い、山椒の木の芽もまた。
根元から切り取ったレモングラスは細い茎を伸ばし、百合も
八方に葉を広げ、川向こうの木々は風に揺らされながら太陽
にきらめき、春の12日間に起こっていたことを一気に目に
したようだった。
ヒヨドリは去ったよう。
みかんが柳の木の根元にあるけれど乾きはじめて、もう二日
ばかり来てないらしい。冬の尻尾とともに、渡って行ったの
だな。
それにしても、陽光がきもちよい。
わたしはこんなところに住んでいたのだなあ。
目がものすごく喜んでいる。体だって、ぴょんぴょん飛び跳
ねたいくらい。
持ち帰った、生成り色のリネンの布をさっそく窓辺のテーブ
ルにかける。漆器ものせて、いいぞいいぞと眺めた。
市場にお土産を持ってゆく。
八百屋さんと魚屋さん。
魚屋さんのご夫婦に母がとても喜んだ話していると、胸がぐ
ーっと熱くなった。
「じーん。泣きそうです。わーん、ありがとうございました」
と支離滅裂になっていると「なーに、言ってんだあ」と親方
はあたたかい顔で笑った。
ちょっと心が折れそう。
惚ける、一日。
昼は
・じゃーじゃー麺
今年お初の胡瓜は、髭のひとの田舎から送ってきたの。
胡瓜を刻んでいると、青臭い夏の匂いがした。
意外にも食べ物はたくさん残っていた。
外食は一度だけ、きのう銀座の梅林でとんかつ定食を
食べただけだそう。お土産の、カツサンドがおいしかっ
たな。夕べ、ふた切れ残して私のお昼にした。
惚けていて、イサキに合った料理ができず。
夜は
・カレー
・コールスロー
どちらとも帰る前に作って行ったの。
コールスローは乳酸発酵漬けのキャベツと人参がよく
醗酵して、酸味の具合がよい。