日々の皿

6月22日(金)  晴れ  28/19℃

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朝がきれいだった。

東の空がとき色に染まり淡く朝霧が光っていた。

川向こうにも霧。

太陽で背中を明るくした雀の一番のりが翼をはばたかせてや

てきた。

さあ、今日はらっきょうだ。

今年らっきょうは不作の域にあるのだそう。

八百屋に取りに行くと、会長が出てきて髭のひとに冗談の一つ

二つ飛ばしながらダンボールに持ち手を作ってくれた。

小粒のらっきょうだった。傷も多い。

珍しく「手伝ってくれてもいいよ」と言う。

ふうん。私の手が入ってもいいと思うところまで来たのだなあ。

大きな笊にらっきょう10キロを入れて、椅子とともにベラ

ダに出す。

私は窓の縁にクッションを敷いて腰かけた。

根の方はごく小さく切って、上の方はよい形になるように切り

取ってと手本を示す。

退屈な作業だ。聞こえてくるのは車の騒音とときどきサイレン。

あんまり退屈だからyoutubeで朗読を探して、よく聞こえるよう

にiphoneを鉢の硬いところに置いた。

「杜子春」

役者が低いゆっくりした声でタイトルを読み上げると、髭のひ

とはふっと笑った。

朗読なんていやかな、と思ったけれど案外「そのあとどうな

た」なんて戻ってきた時に聞いてきた。

「蜘蛛の糸」

「羅生門」

朗読は次々に自動再生され、止めたくても手はらっきょうでべ

たべただ。

「鼻」

と役者が低い声で読み上げるとまたふっと笑って「最後覚えて

ないな」と耳は物語にむけられているよう。

あれだけ退屈だと思っていたのに、私はランナーズハイならぬ

らっきょうハイになって、口もきけずただもくもくとらっきょ

の根と頭を取り続けた。


らっきょうは10%の塩水に漬け、五日間毎日変えて薄皮を剥

きつつ発酵させる。




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朝は

・磯辺焼き


朝の時間の早い昼は魚河岸で

・髭のひと親子丼 わたしは鶏そば

 開店したときよりぐんと味が落ちた。

 たぶんレシピは同じなのだと思うけれど、覇気がなくなっている。


夜は

カツサンドを作り胡瓜のピクルスを添える

グリンピースのポタージュスープ


機材室の冷蔵庫に入れて忘れていたグリンピースは、所々芽が出

ていた。よほど土に蒔いて、繊細な葉先とつるを豆苗炒めにした

り、かわいい色の花を咲かせようとも思ったけど、ベランダ

には「増やすな」の禁止令が出ている。

水煮にして半分はペースト、もう半分は豆乳とブレンダーにかけ

てスープにした。

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by hibinosara | 2018-07-03 10:12 | Comments(0)