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日々の皿

すてきな複合 

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https://casica.tokyo





7月13日(金)  晴れ  34/26℃


羽田空港行きのモノレールに乗り、土砂が堆積して出来た島

天王洲アイルへ。ここはうちの比較的近所で埠頭ま散歩

に出かけると、湾の向こう岸に赤いランプがポカポカ点滅し

た近未来的な景色が眺められるのだけれど、降り立ったのは

はじめてだ。

古い布に祈りのような刺繍をぎっしりと与えた作品でしられ

る沖潤子さんの新作展「蜜と意味」をみにきた。

ひろびろとした倉庫に白い塗装の大きな壁を持つしいんとし

たギャラリーだった。

沖さんの作品の前ではいつもとまどってしまう。

だからそっと近づく。

痛みを感じる。それに、すこしこわい。手を合わせたくもな

る。傷だらけでつくしくもあるから猛烈に愛したくもる。

ふいに大野一雄さんの「わたしのお母さん」や「胎児夢」

が瞼をよぎった。大野さんの舞をみているとどうして

も泣きそうになって、それが何なのかわたしにはわか

ままなのだけれど、妄想の中では大野さんは沖さんの

をゆきして触れたりときどき抱きしめながら舞ってた。

わたしたちは沖さんのポスターをそれぞれの手にもらって、

暑い道を歩いた。

天王洲アイルからりんかい線で海のふちを走った。

駅を降りて道の向こうに見えたのは取り壊しがはじまっても

おかしくない工場跡のようなところだった。

古いものが持っている匂いがした。それは歴史ある博物館や

学校が持ってい懐かしい心地よさとともに、ずくような

複雑な匂いだ。

古い家具、古い器、古い本、古い遊び道具、剥製の首。

気配をもつものたちが重なり合っている場所では、動きもゆ

っくりになる。

さいしょは圧倒されていたのにすぐ物欲が出た。欲しい。

椅子に机、引き出に壺。欲しい。この刺し子も良い色合い。

けれど、時間がふり積もったものばかりがよいのでもない。

古いもののなかに新しいものがもつ匂いも流れていて、それ

らは古さによく馴染みながらも新しい光を放っていたし、古

いものは手を入れられて新しい形にもなっていた。

時間も国籍も明るさも暗さも祈りも解放も食欲も目的もあら

ゆる異なったものがひとつのところに集まっている、CASIC

Aにはいちゃん連れて行ってくれた。


それにしても暑い一日だった。

さいごに新丸の内ビルディングの東京駅の屋根が見えるいつ

もの7階のテラスに行った。

いちゃんは「夏休みが終わる!」と言った。

私も時間の速さにとまどって「今日の昼黄色のTシャツ

中央改札口から現れたみたいだよ」と返した。

むわっとした空気に吹かれながら、ビールをのみピザを口に

した。

髭のひとから新幹線の乗り場、8と9の間で待っているとメ

イル。

東京駅は三連休どこかへ移動する人たちで溢れていた。

いちゃんが新幹線に乗る頃、空は真っ赤に染まった。


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朝は

・うり科サラダ

 ゴーヤ、赤いトマト、黄色いトマト

・きのういちゃんが買ってくれた汐留のパン

 変わらずおいしかった。

 ブーランジェリータテルヨシノプリュス

・グリンピースの冷たいスウプ


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昼は

髭のひとはつのちゃんとサカキへ

わたしはちはCASICAのカフェで

カレー、八丁味噌の根菜とベーコンの煮込み、和漢チャイ

八丁味噌って、スパイスが合いそうだなあ。そのうちやってみよう。

お料理は南風食堂の監修

彼女たちの料理ははじめていただいたけれど、10年くらい前の資生堂

ギャラリーの「夢の饗宴」の展示が忘れられない。


夕方

いつもの新丸のテラスでいちゃんにビールやピザをごちそうになった。

ありがとう。

いちゃんを送ったあと、てくてくあるいて「はしご」でラーメンを

食べて帰りました。

だーろうだんだん麺についうっかりしてしまったけれど、パーコー麺

にするんだった。


家に帰っていちゃんが使っていたバスタオルをハンガーからはずしました。

さびしいな。





by hibinosara | 2018-07-24 07:59 | Comments(2)
Commented by fusk-en25 at 2018-07-24 09:11
古きものが使われているのは好きです。
日々の匂いを物も一緒に吸っているような。。

3年前に大阪の実家に帰った日。
誰も住んでいない空間を開けると荒んだ空気が流れてきて。。
ああ、と思うのですが。
1日2日とたつ内に、家が蘇ってきて。呼吸をしだし。
その匂いまでが変わってきて。。
家も生きているのかしら?と思ったものでした。
Commented by hibinosara at 2018-07-24 09:33
fusk-en25さん
私も好きです。
いいなあ、いいなあ、と思います。


家は生きていると思います。
ある人が言っていたのですが「使われてない家はのまれていく」と。
その感じっていうのはすごくよくわかるんです。
年に二度ですが、岩手の叔父の家を手入れにゆきます。
帰ってくるときに母に頼まれている塩盛りをしてくるんです。
11箇所。それを何年か続けてから家の気配が変わりました。
昔から行われていることって意味はわからないのだけれどたしかに効果はあるようです。