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日々の皿

にし邑のおかあさん

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8月22日(水)  晴れ  34/27℃


一日券を買ってバスに乗る。

とんかつ弁当を取りに行くのだ。

仕事の開始時間が早まって、髭のひとは追い詰められた猪のよ

うに体中に電流を走らせてギラギラしている。まなこから神

飛び出して赤くヒリヒリもしている。「お昼は・・」と言

かける、ピクンとして眼のなかに黒い墨が広がった。

こういう時は、食べ物の匂いが台所から漂ってくるのも、昼ご

はんを待っているのも、食事がおわって片付けをしている気配

も神経にさわって苛立たせるだけだから「お弁当にしようか」

と言うと「いいね」とのった

今日もガンガンに日が照っている。マガジンハウスの横手を入

るとにし邑提灯が見えて、12時すこし前に引き戸を開くと

すでにカウンターは満席、行きの深い細長い店の壁一面入り

口まで、順番を待っている人たちが並んでいた。

いつも上機嫌なおかあさんは今日も「はいっ、はいっ」と朗ら

かな声をあげて豚汁をお椀にそそいでいる。おいしくて、けち

けちしなくて、やすくて、その上感じのいい店はいつだって

繁盛しいるのだ。

おねえさんは夏の疲れの滲んでいる顔で「暑い所ありがとうご

ざいます」と弁当の袋を渡しながらねぎらってくれて、

る。

紙袋の底をアスファルトと平行移動をさせてバス停まで小走る。

肉は厚く、キャベツはぎゅうぎゅうに詰められ、豚汁もたっ

りの素晴らしいとんかつ弁当。今日は殊にいい味と頬張って、

髭のひとのカツと一切れ部位交換すると、おや?申し訳ないほ

ど私の方がおいしい。

こういうのは運としかいいようがない。



―――


夜は

・夏寿司

 軽く酢でしめた鯵、芽蓮根、茗荷、スダチ、大葉。

 きのうの蓮根寿司より、レンコンは極薄く切り、

 きのうはそのままだった皮も極薄く引く。

・焼き高野豆腐

・胡瓜と茗荷の胡麻和え

・吸い物


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by hibinosara | 2018-09-01 09:19 | Comments(0)