日々の皿

目的なしのいいこと

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10月4日(木)  くもりのち小雨  21/9℃


札幌は晴れ。今日も6時半に電話。

朝起こされるのが嬉しいらしく、すでにイキイキ。

数時間後、「銀杏300」と短いメイル。


蔵前の駅を地上に出ると、暗い雲が垂れ込めていた。

左側に進んで寺の前を通り左に折れる。

一本目の黒い建物の角を右に曲がるとスパイス屋が見えて

くる。

わりとすぐに道は覚える。

地図を見るのが好きだし、歩いて頭の中に地図を作るのは

もっと好きだ。地図を書くのは楽しいし、それを渡すのも

い。でも、さいきんはあまり必要とされないけれど。

生のカレーリーフとドライのを一つずつ買う。

古いパン屋で、三色パンとコロネを買っていざ、てくてく

合羽橋道具街。

何日か前に「なんにも欲しいものはないけれど、かっぱ橋に

行きたいの。なにかを見たいの」と話していたら、一年に

度のセールが始まったよ、とひげの人が言った。

でも、わたしの見たいものは道具街のアーケードに沿った

裏道にあった。

灰色の壁の亀裂の間に埋め込んだ白い目地の不規則な線、

曇りガラスに木枠の窓、微妙な角度で重なった陰気な城

ような建物、入り組んだ屋根、風で引き裂かれてぶら下

っているテント。時間がつくった造形と物語。

築地場内市場だって十分に時間の物語はあるけれど、でも

、目は珍しいものも欲しがる。

十分に楽しんで、アーケード街へ向かうと人で溢れていた。

こんな合羽橋ははじめてで人の波のなかで何か買わないと

いけないような気にもなるけれど、アテンションプリーズ、

道具は一生の付き合い。うかつに手を出してはいけません

けれどいつも冷静なひげの人は道具街では燃える男になり、

刃物屋に突入。さまざまな言語が飛び交っているなかで手

にしたのは、長いピンセット。わたしは親指にしっくりく

る骨抜き、バットの網。

あとから直径28センチ深さ8センチくらいの両手鍋を欲し

がっていたことを思い出したけれど、でも、目的を持たず

に行ったから、あの裏道のカフカのような世界に会えたん

だと思う。


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二つのタワー風景。

浅草の、うんこビル、ビールビル、スカイツリー。

蔵前の右に傾斜した古書店の本のタワー。

バランスを取るのに本はみんな左に傾斜。

新しいものと古いものが混ざり合っている街が、

国と国が混ざり合っている街が好き。

ひとりの人間をとってもそうだと思うし。

まだら、っていうのはいいな。

まだらは寛容。






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きのうのごはんが胃に重くて、わたしは豆のスープ。

といっても、豆の煮汁ごとの塩味のスープ。

香りのよいオリーヴオイルを途中から加えて。


同じ食卓とは思えない、ひげの人の明るいラーメン。

分断した食卓。

でも、面倒がりさえしなければ、二人で違うものを食べて

もいいんだな。すこし、さびしいけれど。




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鶏むね肉、豆もやし、ネギの塩ラーメン


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夕方あんぱんとぶどうパンを手に、一度は並木に足が向かい

つつ、5時までの蕎麦屋、長浦に向かう。

ひげの人 油そば 

豪快な瀬戸黒に盛った冷たい蕎麦に、天ぷらを揚げる油で

「チャッ」と揚げた白髪ねぎをのせ、うすめの出汁でいた

だく。

ひとくちもらったけれど、これは真似をしたい。

長ネギをテンパリングして蕎麦にのせるとどうなるだろう

なあ。

わたしは出雲蕎麦とビール。

フロアで働いている方は前に暮らしていた街で時々見かけた、

子供たちが腰のあたりにいつも鈴なりになっていて、女神さ

まのようにきらきらしていたひとだった。

話しかけてみる。


夜は

パン三昧




by hibinosara | 2018-10-13 08:54 | Comments(8)
Commented by pallet-sorairo at 2018-10-13 09:02
>子供たちが腰のあたりにいつも鈴なりになっていて、女神さまのようにきらきらしていたひと

どんな人だろうと、想像が膨らみます。
Commented by まみりん at 2018-10-13 09:10 x
今日はこちらからこんにちわ!
蔵前の古書店って、もしや『御蔵前書房』?江戸通りに面した角から2軒目の?
その向かい側が、今はない私の実家でした。
合羽橋まで歩かれたんですか、けっこうかかったでしょう。

あ、蛇足です、河童橋は上高地、お江戸は合羽橋。
ほんと蛇足でした!
Commented by hibinosara at 2018-10-13 09:59
> pallet-sorairoさん
ほんとうにそのキラキラが見えるようでした。
子育てが、ほんとうにたのしかったようですよ。
よそのこもうちのこも、みーんな腰のまわりにいたようです。
Commented by hibinosara at 2018-10-13 10:02
まみりんちゃま
こんにちは!!
そうそう。そこです!!
えーーーーーーーーーーーーっ。ではあの、向かって右傾斜をいつも見られたのですねえ。
もう、横のビルに頭が付きそうだった!!!
わたしは、まみりんちゃまの元ご実家の前に建って写真を撮っていたのだなあ。
くるりと振り返って、挨拶するとよかったなーーーー。

あーっ。
河童と合羽になってる。
なおしまーす!!
ありがとうございます!!!!
Commented by まみりん at 2018-10-13 10:26 x
私が住んでた頃はあんなに曲がってはいませんでした。
土地買収の波にあらがって、よく持ちこたえていると思います、あの建物を維持するセンスは素敵ですね。
じつは学生の頃毎朝5時からの私の練習で、あそこのご当主から苦情をなんどかいただきました。
近くには叔父の玩具関連の店がありますが、いとこに代替わりして店は閉じ、ウェブサイトだけの営業形態になるんだって、ちょっとさびしい私の蔵前です。猫さんといちどだけ歩いたことあるんですよ!
Commented by hibinosara at 2018-10-13 10:55
まみりんちゃま
そうなのですね。
きっと頑固な方なのだろうなあ、と本屋の前に立って眺めてました。
写真を撮っちゃってから、撮影禁止の張り紙が三枚もあるのに気がつきました!
右側の酒蔵駒忠の佇まいも好きです。
えーーーーーーーっ。そうかあ。でもそうですよね、ピアノ科の方たちは毎日毎日
まるでイエスに祈りを捧げる修道女のように鍛錬の日々なのですよね。
5時かあ。すごいなあ。
苦情をくださる、おじさまのような気もしています(にっこり)。

さびしいなあ。声や人がね、街から消えてゆくでしょう。
みんな家に閉じこもっちゃって、やっぱりリヤカーの風鈴屋になろうかなあ!!!
夏は風鈴、秋は焼き芋、冬はおでん、春は何を売ろうかなあ・・・。
ふぅーりーん、やっきぃもー、ぉでーん、という声を街にひびかせたいなあ!
猫さん、蔵前が似合いそうだなあ。空気がね、そんな感じがする。
Commented by fusk-en25 at 2018-10-13 11:38
春はシャボン玉なんか。いかがです?
あっ。。ハッカパイプでもいいな。

タワーの本屋さんがあるのですね。
行きたい。顔を横に向けて題名を読む。
大阪に帰っても古本屋さんは綺麗になりすぎています。

友達が「なぜから。。」の本を買って持ってきてくれました。
Commented by hibinosara at 2018-10-13 12:49
fusk-en25さん
あ、いいかもしれませんね。春らしく、ふわふわと。
「しゃーぼぉん〜」
街にしゃぼんの花が咲きますね。
吹き手がひつようなので、fuskさん肺をきたえておいてくださいね☺️

なかなかなかなか、の本屋さんでした。
こんど、何か買ってみよう。
そして、なかに入ってみよう。
蔵前はたのしいです。奥行きのふかーい、文具店とか、涙がでます。

わ、ありがとうございます。
どきどき。
お友だちにもよろしくお伝えください。