人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日々の皿

桃色のほほ




桃色のほほ_c0367403_12521709.jpg








5月19日(日)  晴れ  25/18℃


小学校2年生か、確か3年生にはなっていなかった頃の一時期

、吃音があった。

わたしは先生にあてられて教科書を音読するのが好きで、それ

吃音になっても変わらず、椅子をガタガタ揺らしながら読ん

だ。そして自分の吃っている声をおもしろがって聞いていた

同級生が振り返って見ているのはわかっていたから、さらに椅

子をガタガタ揺らして読んだ。

それはいっ時のことでいつの間にかなくなってしまったけれど

、どうしてか今頃になって、それらしきものが出てきた

疲れている時や、やらないといけないことが山のように後に控

えている時、口の中にいくつかの話の「頭の音が」重なり溢れ

、唇の穴から外界に出る時にはせめぎ合って濁音となり止まっ

てしまう。

今朝も話そうとしてなんともいえない音を発すると「落ち着き

なさい」とヒゲの人は苦笑した。そうだ、通信簿にはいつも「

落ち着きがない」と書かれていたっけ。

今日もいろいろ焦っていたけれど、ケーキをつくるうちに集中

して静かになる。

焼きあがったシークァーサーをたっぷり入れたケーキを型から

出すとなかなかよい感じだ。

薄力粉(エクリチュール)、無塩発酵バター、各120グラム。

グラニュー糖110グラム。卵2個。シークァーサーコンフィチ

ール100㏄。ベーキングパウダーは使わず、気泡の力で膨らま

せる。

銀座まで出て、お土産を探す時間がなかったからケーキを焼い

たけれど、ちちゃんに持って行くときはいつだって緊張する。


桃色のほほ_c0367403_12455554.jpg桃色のほほ_c0367403_12455672.jpg


















ちちゃんにロシア料理屋でボルシチをご馳走になった後、久し

ぶりにLちゃんにも会った。おでこがやや後退したようにも見

えたけれど、明るくて正直な雰囲気はそのままで、小石川公園

を散策している後ろ姿は何一つ変わってなかった。

Lちゃんがちちゃんに恋をしていた頃、ほんとうに頰が桃色に染

まっていた話を、前をゆくLちゃんの背中を目で追いながら今日

もちちゃんに聞かせた。

それまで女の人の話を耳にしたこともなかったのに、門前仲町

の中華料理屋で向かいに座っていたLちゃんはほんとーに嬉しそ

うに桃色に発光してちちゃんのことを話していた。

人は恋をすることででこんなに変わるんだと、なかば驚きなか

ば感心してわたしはぽかんとした。

いつだってクールでマイペース、どちらかといえば青っぽい顔

色をした人がだ。

だからか二人の間には今でも新鮮な風が吹いていて、ちちゃん

がLちゃんのおどけた姿の写真を撮っているところなんてなんと

もいいものだったな


桃色のほほ_c0367403_12461239.jpg桃色のほほ_c0367403_12460850.jpg

桃色のほほ_c0367403_12460953.jpg



































―――――19日のご飯


昼は

雑魚のパスタ パルメジャーノがけ

オリーヴオイルにニンニクの香りと旨味を滲ませて雑魚

をざっと炒め茹で汁を取り乳化させ、ゆでたての太めの

パスタに絡ませて、白胡椒を挽く。

鷹の爪も合いそう。そのときはチーズはいらないかな。



わたしの昼は

ちちゃんと

ボルシチとピロシキ

ロシア料理屋のマダムがなんとも雰囲気が良いのだ。

情の濃さそうな人。カリンカより愛の讃歌が似合う人。



おやつ

ゆったりした時間が流れているKarunaという一軒家カフェで

マフィンとチャイ

ちちゃんとわたしは通りに面しているカウンターに座ってお

しゃべりをした。

ガラス窓の向こうの草や花に傾きはじめたお日さまがあたっ

ていて、それは穏やかでとてもいいものだった。

店の前にある、大きな鉢に入った柚子の木はもう何十年もこ

こにあるのだそう。そして、昔はよく実をつけていたのだそ

う。柚子の木も寡黙になる時期があるんだろうか。

この柚子を植えた前の持ち主に会ってみたいものだな、と思

う。


桃色のほほ_c0367403_13010148.jpg
桃色のほほ_c0367403_13001268.jpg
















夜は

こうちゃんが送ってくださった岸田屋のポン酢で

ぶたしゃぶ






by hibinosara | 2019-07-08 15:21 | Comments(0)