まずは苦味
5月26日(日) 晴れのちくもり 33/19℃
窓のそばによるとムワッとする。
北海道のサロマは午前中に35.8℃まで気温が上がったと、
ニュースで見た。
大丈夫かなあ。汗ちゃんとかけているかな。毛穴の数が少なか
ったりするらしいから。体の内に熱がこもらないといいけれど
。サロマ湖の牡蠣もびっくりしているだろうな。
温度計を居間に置くよう母に電話をする。
わたしが子供の頃から変わらずある、黄金色のライオンの温度
計。帰るたび、洗面台の棚で室温を計っている意味がよくわか
らなかったけれど、25℃を指していたライオンは、居間に移
動するうちに2℃上げたらしく、久しぶりに活躍できるのでは
ないかな。
あのサロマ湖の、透明な牡蠣の風味は口にすると脳内に青い色
を広げる。沈黙という音も聞こえる。それは湖の水温の低さや
清涼さを受けてもいるのだと思うのだけれど。
どうか、失われませんように。
どっと汗をかいて帰ってきて、炭酸をごくごく飲んで「ハーッ
」と息をつく。
「なんか気持ちいい音楽がかかっているけどなんだっけ?」
とよくよく耳をすますと、モーツァルト。
ピアノコンチェルト23番、第二楽章。
冬にこの曲を聴いていた時は胸を打たれて、フィレンツェの山
の上の教会の大理石から掘り出された枢機卿や木枯らしが舞う
景色が見てえていたのに、今は何一つ浮かばない。体は季節に
影響されて感受性まで変わってしまうのだな。あてにならない。
恥ずかしいな、と言うとヒゲの人はニカッと笑っている。
そのうち音楽はボサノヴァにとってかわった。
時々ヒゲの人が見てごらん、と勧めるボクシング。
解説の人が冷静で面白かった。
それと特有の言葉も。
ボクシングIQ
勝つためのインテリジェンス。
スウィートサイエンス。
―――――26日のごはん
昼は
・冷やしラーメン
豚肉胡麻ピリ辛和え、レタス、もやし、きゅうり
・わかめとらっきょう
暑くなると欲しくなる食味は、最初は苦味。
苦いものが食べたくなると、夏だなあと思う。
次に酸味。
苦味と酸味の組み合わせは、暑いときには最高だけれど、
冬には辛い。それは痛みを感じるほど。
梅雨に入るとストレートな辛さが欲しくなる。
じめじめ発散に。もしくは気付けとして。
今夜はピーマンを焼いて、醤油とコク味のある富士酢を
合わせてかけまわす。
夜は
・かに玉
・鯛のアラの韓国ピリ辛
・焼きピーマン
・酢豚の残り
翌日は翌日で味がよく染み込んで美味しい
・わかめ酢とらっきょう
・白いご飯
季節と情感の関係性
今迄、考えた事も無かった。
これからの生き方が、豊かになりそうで
嬉しいです。
朝に見るのと夜に見るのではまったく印象が違っていたり、
事物と事物の間にある身体は常に揺れていて頼りなく、確かな物が時々欲しくなりますが、
移ろいは、そうですね、豊かですね。
私も嬉しくなりました。