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日々の皿

目眩





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12月16日(月)  晴れ  12/3℃


遠く、海にかかる橋が朝焼けに浮かんでいる。

きのう、幸の樹が長万部の帰りに母のマンションの駐車場に停

ていた車を取りに戻り挨拶に寄ると、玄関先で倒れていたと

ッセージが届いた

すぐに電話をすると母はなんでもなさそうな声で話した。

出かけようとした時にくらりとして、とっさに横になったと言

った。幸の樹は母を抱えて居間に連れてゆき、電気をつけ、携

帯電話を握らせてくれたのだそうだ。たまたま玄関の鍵が開い

ていてよかった。

めまいは普段からあるけれど、原因はわからず、貧血から来る

ものなのか、三半規管が弱っているのか。

でも今回は自律神経の乱れかもしれない。

「れいこちゃんだけはちがう」と思って頼りにしていた人から

、突然荷物を返されたのだから余程堪えたのだろう。

幸の樹がその時間に寄ってくれてほんとうによかった。声や体

温がそばにあって、母は救われたと思います。ありがとうござ

います。

それに、私はこういう時にどうなるのかもわかった。動揺して

血の気が引いているのに冷静だった。そういえば今までもそう

だった。普段はすぐに涙ぐんだり、手が震えたりするのに、大

きな出来事が起こるとよりよく解ろうとしてどんどん頭が冷え

ていくのだ。

朝の電話には出たけれど、体操はお休み。

午前中、何度か電話をする。

なんでもない声をしている。

文案を送ったけれど今日は届きませんように。

れいこちゃんになんて手紙を書いていいのかわからないと言っ

ていたから、短い文章がとっかかりになるといいと思って。

母の心をこめて自分の言葉で綴ることが大切だけれど、今は苦

しいだろうから。

さて、レバーの燻製でも作ろうか。

ただの貧血なのかもしれないのだから。




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その鳴き声を聞いていると、木漏れ日のしたで透き通るような

大きな花弁を広げて香気を送っている華やかな花が浮かんだ。

すこしくぐもってもいて、相反する要素が含まれている。

色と音で喩えると、鮮やかな青と灰色がまじり合って、音域は

広く軽やかだ。どんな鳥が鳴いているのか、窓に近づくとメジ

ロの影がぱっと飛び去った。



スモーカーはほしくない。もうこれ以上道具を増やしたくない

のだ。それにしても燻製の本はどうして「俺の」とか「男の」

とか「男前」の、とかつくんだろう。でも、「女の」燻製って

いうのもちょっと湿っている感じがする。「手作り」という言

葉も気持ちが悪いし、ただの「燻製」でいいのにな。

本を読んでもよくわからない。わからないとスモーカーが欲し

くなる。けれど、まだ買わない。買うならある程度わかってか

だ。綺麗な色をつけるには高さが必要なようだから、スパゲ

ティを茹でる寸胴鍋で燻すことにする。レバー はハードルが高

そうだから、ササミ 。貧血には効果がないかもしれないけれど、

筋肉は作ってくれる。ササミの筋を取る人と取らない人があっ

て、取らずに、そこに串を打ってぶら下げることにした。

燻す時間や火加減は何度も繰り返して、見つけるしかないのだ

ろうな。アイヌはそういえば、囲炉裏周りの天井に鮭をずらり

とぶら下げて燻製にむいている家に住んでいたけれど、あのや

わらかな温度と煙が旨味を作るんだろうか。台所にパソコンを

持ち込んで、燻製につきっきりになっていると、ヒゲの人が帰

って来て、けむい、けむい、ゴホゴホ、と咳をしている。


夜、彼は炬燵に足を伸ばしてフェリーニの道化師をみ始めた。

笑い声と、時々感心したような唸り声が聞こえる。


母は元気な声を出している。

明日も明後日もお友だちが来ると言った。

断らないところをみると、回復して来ているのだろうな。

心のことはほんとうに堪えるものですね。





―――――――16日のごはん


昼は

肉団子のプレート

豚肉の肉団子トマトソース煮

(肉団子は塩味だけをつけて冷凍しておいたのを使った)

目玉焼き 人参のサラダ ムング豆の玄米ごはん

ムング豆にしておくと、和洋エスニック何にでも合う。

ブロッコリーのポタージュスープ



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夜は

ひとりおでん

鰆の酒粕と味噌漬け

晩秋の鰆もよく脂がのっておいしい。

小松菜と油揚げの炒め物

ムング豆の玄米ごはん


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by hibinosara | 2019-12-28 10:12 | Comments(0)