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日々の皿

みどり色





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1月19日(日)  快晴  11/2℃


微かな地鳴きとともに小さな黒い影がやってきた。

ミカンに降り立ってひとしきりついばんだ後「ティティ、テ

ィーティーティティティティ」と大きな声で、ここはわたし

たちの縄張りだと言わんばかりに鳴き始めた。

一月、大寒に入るころから二月の寒さが厳しい季節になると

、メジロはぼんやりとすることがどうしてか多くなる。今朝

もオリーヴの枝にツガイで身を押し合って留まっていた。

こっそり写真を撮って拡大してみると思ったよりまるまるし

ている。あのはんぶんは、うちのミカンでつくられた体だ。



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いいお天気だった。

ひさしぶりに大江戸骨董市に行った。

人出が多い。その人波に入ってさいしょに惹かれたのは赤いぽっ

て利した椿皿。やや小ぶりで漆の具合がやわらか。六千円也。

朱の直しが入っている。その色が乱暴なほど明るくて冷める。で

も、売り手はいい人そうでそちらに気持ちが行った。つい財布の

紐がゆるみそうになったけれどまだ来たばかり。今度はロザリオ

が並べられている店に吸い込まれた。吸い込まれたい店はあちら

こちらにあるけれど、まず先に、お願いしていた皿を取りに行っ

た。パソコンで見ていたよりすこし緑がかっている。でも、なか

なかいい黄色だ。ぽってりした緑青色の木皿も一枚買う。

このお店のブログのもう何年も前の記事に、ハンガリーもしくは

ルーマニアでつくられた緑色の釉のスープ皿がのっていた。時々

思い出して、見に行ってはこれにパプリカたっぷり赤いスー

そそいでみたいと憧れた。「忘れられません」と言うと、三月

にロンドンに買い付けにゆくから何かあれば、とおっしゃった。

みどり色の心が奪われる器はいつも古い織部で、けれどそれは高

すぎて買えない。新しくても深みのある緑があればいいのだけれ

ど、たいていよそよそしい色だし、見ているはなから飽きてしま

う。でも、ハンガリーやフランスの古いみどりならと思う。

ヒゲの人に三十分だけ時間をもらって見て回る。わたしは欲の塊

になった。

わたしたちはたいていいつも意見が分かれて、うつわの好みだっ

て違うから、うちの食卓はどうも中途半端なのだけれど、どうや

ら二人とも「古い染付け」は好きらしい。

「あの女の人の店のあれがよかったなあ」と言うと「あれだろう

?斜めに置かれていたやつ」などという。「釉のやわらかな古伊

万里の蕎麦口もよかったな」と言うと「四万五千円のだろ」な

どとも言う。その四万五千円につゆを入れて、ずずっと蕎麦をす

すったり、肴をよそったり、酒をそそいだり、してみたいものだ

なあ。気になった店の人からは、ショップカードをもらっておく。



基礎化粧品を買いにゆき、てくてく歩いて帰ってきた。

橋の上から川に浮かんでいる水鳥に目をこらす。

「鴨かな」とヒゲの人は言った。そう、たぶん鴨。

ぷかぷかと漂っている。この鴨たちもまた疲れているんだろうか。

さらに目をこらす。雌が四羽。雄が六羽だ。

文庫本の「ことり」はもうすぐ読み終わる。

今、ことりの小父さんはかいがいしくメジロの介抱をしている。

しあわせそうだ。





――――――-19日のごはん


朝は

豆餅



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昼は

卵焼きとおにぎり

おにぎりの具は、鮭、すじこ、梅

これで海苔はおしまい。

買いにゆかないと。


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夜は

・ほっけ干物 生姜添え

・真だらこの煮付け

・海老芋塩煮

・寒締めほうれん草のおひたし

・こんにゃくの田楽

 おねえさん作。家の畑のこんにゃくは、イノシシに荒らされて

 採れないらしいけれど、ご近所のこんにゃくで作ってくれた。

煮昆布

・玄米ごはん

・しじみ汁













by hibinosara | 2020-01-24 07:50 | Comments(0)