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日々の皿

春の日みたいだった





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1月22日(水)  くもり  7/2℃


丘のようにこんもり乱れていた机の上をすっきりさせた。ベラン

ダに湯を流してデッキブラシでごしごし磨く。メジロのミカンも

取り替える。取り替えているのをどこかで見ているのかツガイは

すぐにやってきて、ヒタッとミカンに留まり、すぐさまみずみず

しい果実にくちばしを入れて甘い汁をチューと吸い上げ、勢いよ

くついばんでいる。

今日は年が明けて初めての家での仕事。

おやつは六花亭のマルセイバターサンドにした。

バターとレーズンをビスケットでサンドした、北海道の銘菓だ。

この菓子は人気があるのだなあ。皿にこんもりと盛っておくと、

たいていの人は「おっ」という顔をして嬉しそうにする。

甘いものが苦手な営業のHさんまで「これ、おいしいんですよね」

と熱のこもった声で言った。

今日はみんな機嫌がよかったし、その後ろでメジロたちはしょっ

ちゅうミカンをついばみに来ているし、馴染みのスズメも米をね

だりにきてすこし撒いてやると喜びの舞いをするし(ほんとうで

す)、春の日みたいだったな。



運送屋さんがレンタル品を回収に来る前に急いで買い物にゆく。

スーパーで焼きそばの麺、鶏肉、納豆。肉屋で豚肉を700グラ

ム。25日にお客さんがあるからそろそろ用意をしておかないと。

肉屋のならびにある花屋を遠目に見ていると、店の人と目があっ

た。今日は叔父の月命日だ。近づいていくと「これは今日入って

きたチューリッープですよ」とほほえんだ。店の中にはクリーム

色やオレンジ色の小さな蕾をつけたチューリップもあったけれど、

叔父にはサーモンピンクのチューリップが似合うな。


「おじちゃんどうぞ」と声をかけて写真に手向ける。



――――――22日のごはん


朝のごはん


ひさしぶりに、おじいさんとおばあさんがやっているパン屋さん

に行った。

引き戸をあけると今日はおじいさんがパンが入っているガラスの

棚の向こうにいた。

どうしてかこのパン屋さんに来ると「いいこ」(という年ではな

いけれど)にしていたくなる気持ちがはたらく。

ヒゲの人はコロッケが好きだから、メンチパン。それからポテト

サラダも好きだから、ハムとポテトサラダのパン。新作というの

もあった。よく見ようとして一番下の棚のパンに顔を近づけると

「ガンッ」と音がしてガラスにおでこが激突した。「いったー」

と額に手をやっていると「おちついて」とおじいさんはおちつい

た声で言った。その新作には肉がたっぷり入っているのだそう。

「すこしずつしか揚げないんだよ。まあ、どうせさめちゃうんだ

けどね」と笑った。その新作と、それからハンバーガーの新作で

はない方を買った(新作はチーズ入り)。おじいさんは棚の上

のそろばんを「チャッ」とご破算にして「チャチャチャチャ」と

音を立てて計算して「はい。740円」とゆっくりと言った。

すみませんと言って五千円札を出すとおじいさんは後ろにいるお

ばあさんに「社長」と呼んで、千円札を出させた。

パン屋を出るとやっぱり嬉しくなっていた。

パンを買いにはきているけれど、二人に会いにきているようなも

のだな。

ハンバーガーの肉はずしっとしていたし、ポテトサラダもたっぷ

りだし、メンチもボリュームがあって、わたしたちはおなかがい

っぱいになった。



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夜のごはんは、ターツァイときくらげ焼きそば

麺は愛知県の大磯屋。

島田掛けによる乾燥熟成をしているのが特徴なのだそう。

写真で見た所、うどんとか素麺を掛けている風景みたいだった。

近所のスーパーの麺の担当者はマニアックなのか、おいしい麺を

入れてくれる。どんな人なんだろうなあ。興味が湧く。



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by hibinosara | 2020-01-30 09:25 | Comments(0)