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日々の皿

イソヒヨドリ







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3月8日(日)  雨  9/6℃


かすかなさえずり。こそりとオリーヴの枝が揺れて、けれどすぐ

には蜜柑に降りてこない。

食べおわるとメジロはまた枝に戻り、ここが縄張りと主張するよ

うな強い声で鳴いて、ピンと張った尾を右に左に規則正しく振っ

ている。


さあ、ペクチンを取らなければ。

きのうのジャム会議では、第二回目は第一回目より柚子の皮をも

うすこしだけ柔らかく煮て、とろみ容量を増やすとさらに口あた

りが気持ちよくなるかも、という結論に至る。

そのとろみは、果皮からこそげとった苦味のもとになる白いワタ

や種から抽出できるそう。味をみると、ほとんど苦くないし、苦

味が好きなので煮こぼさず、鍋に材料を入れ4倍の水を加え蓋を

して、強火にかけて沸騰すれば弱火におとし40分煮つめ、笊で

こした。冷まして固まることをたしかめる。

ヒゲの人に作っておいたよー、と声をかける。


神戸の和の樹からウィルスのお見舞いと写真のメッセージが届く。

二階建ての屋根をゆうゆうと超えた二本のミモザの木が満開に花

を咲かせて金色に輝いていた。

あんなに大きいミモザをはじめて見たなあ!

もう一枚は、玄関の前でミモザのリースを胸にしたかわいらし

姉妹がおひさまのように笑っている写真。木で造られたドアにも

ミモザのリースがかけられて、生垣にもリースがかかっている。

素敵なご家族。

花の季節はお家に帰るのが楽しみだろうなあ。坂を上ると(想像

では和の樹は船乗りだから高台に暮らしていることになっている。

丘に上がると海を眺めながら暮らし。海に向かう時は一直線に坂

を降りて)空に向かったミモザがきらりきらり光っていて。

幸せだろうなあ、ミモザの木のある家で育った人たちは。

あ、今日は女性の日だ!あのリースは和の樹が作ってプレゼント

したんだろうか。


スズメの喧嘩声。外を見るとミカンの上で羽根を広げて空中戦

を繰り広げている。メジロはとなりのミカンでぱくぱくついば

んで穏やか。

長いため息がときどき遠慮がちにきこえていたけれど、柚子ジ

ャム第二弾が完成したらしく、何回かに分けて脱気したオレン

ジ色がまぶしい瓶が並べられてゆく。


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雀の何倍も大きく、鳩よりひとまわり小さい鳥がふいにベラン

ダの手すりに留まった。

お腹のあたりが特徴的で、大きな卵をひとつ抱え持っているよ

うにぷっくりと膨らんで、煉瓦色のうつくしい羽色をしている。

こっちをじっと見ている。いや見ていないかもしれない。でも

見ているようにもみえる。しばらくそうしてわたしたちと目を

あわせてしばらくすると飛んで行った。

急いで調べた。ともだちにもたしかめてイソヒヨドリと判明。

そうか、これからの季節、光のような声でさえずる鳥だ。

もっと、青い羽根が特徴的なのだとばかり思っていた。

以前姿を見たことがある。降っていた雨の音が静まったと同

時に晴れを告げる鳴き声が聞こえてベランダから乗り出すと、

雨のカーテンを引くように東から西にまっすぐに青い背が飛

び進んでいるのが見えた。

あの声の主が来てくれたのだなあ!


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お相撲は無観客試合だった。

味気がない。お相撲はあの観客のざわざわする気配も含めてのお

相撲だったのだなあ。



―――――-8日のごはん


朝は

パンケーキ

柚子のふさの取り除いた硬いところやらがもったいなくて、

一緒に焼き込んで。


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昼は

・夕べの鶏すきの残りに鶏とせりを加えて

・納豆

・玄米ごはん

・生姜昆布煮

・海苔のすまし汁

 蕎麦屋なら「花巻ぬき」と呼ぶのかな



夜は

セルリアック

Aちゃんのお店にひとつだけ残っていて、朝鮮人参のような、

蕪が仙人になったような野菜に魅了される。

香りが高くて、それは確かにセロリではあるけれど、じーんと

痺れるほど、何倍も香った。

部屋に置いておくだけで、ぷうんと漂ってこれだけ匂いが高

と、音みたいだった。

そこから波長の合う食べ物を想像する。

すこしもったりした感じのもの。

脂身の甘い豚肉と、葉っぱの苦味とあの香り。

急いで豚ロースに細かく切り込みを入れて、塩麹をなすりつ

けて、常温に置く(その方が早く味が入る)。

ヒゲをかじると葉っぱほどではないけれど香る。これはさつ

ま芋と春巻きの皮に包んで揚げると互いに生きるのではない

かなあ。

楽しかったなあ妄想している時間。


でもお肉は塩麹より、もうすこし香る酒粕につけた方が合っ

たかもしれない。


ごはんは玄米

ほかに、白菜と豚肉と春雨のスープ。。 



葉はさっと炒めて酒。旨味のたっぷりある塩を振る。
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セロリアックの根とさつまいもの春巻き。

根はやわらかな香り。さつまいものうす甘さとよくあって。

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by hibinosara | 2020-03-12 07:17 | Comments(0)