人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日々の皿

誕生日





誕生日_c0367403_07302285.jpg









誕生日_c0367403_07303326.jpg


3月19日(金)  くもりのち晴れ  19/10度


市場。

ひさしぶりに角の八百屋。

うすい豆を一袋と鹿児島の太いアスパラを二本。

春のアスパラにはまだ慣れない。

湯気の上がっているところをマヨネーズか塩でがぶがぶかぶ

りつくのは北海道の夏の風景で、そう刷り込まれているから

毎年春、「おおアスパラだ」と驚く。

スマートフォンで決済する。

女将さんは、保守的な市場にあって導入するのが色々早い。

かわらずいい笑顔。大女将はこのところ見なくなった。


今日はヒゲの人の誕生日。

朝、お誕生日のお歌を歌っていやがられた。

くやしいから、もう一度手を打ちながら歌ってやった。

すると「ああ。俺の誕生日か」と言ってうつむいて我慢した。


うすい豆のごはんに、鶏の照り焼き、卵焼きに菜の花、アスパ

ラの入るところがなくなった。お誕生日のお昼はお弁当を持っ

て芝の方に桜狩りに出かける予定。

ピンポンと鳴ってうれしそうに荷物を抱えて玄関から戻ってき

て「俺にだ」と言っていそいそしている。大阪の大切な友から

プレゼント。嬉しいんだな。

箱を開けて、手紙を読んでいる。段ボールを持って記念撮影。

プレゼントを一つ一つ取り出す。目が優しくなっていますよ。

ありがとう。ありがとう。





東京タワーの麓で、お花見をする少人数の集まりがぽつ、ぽつ、

シートを広げている。

わたしたちもお弁当を開く。

増上寺のしだれ桜、爽やかだったけれど、境内の整備が進んで、

案内の看板も増えて、情緒が消えていたな。

とはいえ、ここは古墳の麓でもあるから、どんなことをしても消

えない何かがある。

上の方でお弁当食べようか?とヒゲの人に言うと、苦く笑って首

を横に振っていたし。

いつかの春、古墳の中腹でお花見をしていた人たちはサンバを踊

っていた。お天気がよくって桜吹雪が舞っていて、夢のような光

景だったけれど、何か影が重なっているような妖しさがあって。

けれど影たちもたのしんでいたのではないかしら。

ちょっと怖いのにどうしてもここに来てしまう。

わたしはお稲荷さんにご挨拶にゆく。

やっぱり怖い。

怖いけれど挨拶をしなければもっと怖い。


去年閉業したクレッセントが取り壊しになるのだそう。

隣の寺が署名運動をしていた。

江戸時代の寺の練塀が取り壊しの振動で壊れれば修復する技術

はなく、1968年築年の後期ヴィクトリア朝風英国風煉瓦造

りの洋館のクレッセントも今は港区の景観になっているわけだ

からそのまま再利用できないだろうか、という趣旨の署名運動

だった。

署名する。

新しさと古さが共存できる街づくりをして欲しいと思って。

練塀をしみじみと見て、クレッセントを見上げた。

お寺とクレッセントは下の方でほんとうにピタリと「つながっ

て」いた。




―――――――――19日のごはん

朝の三点セット


昼は

花見弁当


誕生日_c0367403_07302905.jpg

イワシ煮つけ

ノリと雑魚の和物

蒸しブロッコリー

冷奴

淡雪納豆

大根炒めと煮昆布

お揚げのお味噌汁

玄米



誕生日_c0367403_07303346.jpg

by hibinosara | 2021-04-17 23:09 | Comments(0)