雪のお節句

3月3日(月) 雨のち雪 14-7
今日も明け方の散歩に出かけようと思っていたけれど、
雨の音を聞いて、もう一度目をつぶってしまいました。
どんどん気温が下がって、そういう朝には、オナガドリ
がやってくる傾向にあります。七羽もいる。ヒマラヤ杉
や桜の梢を渡っているけれどいつもはどこにいるんだろ
う。
鳩の群れが一斉に飛び上がって、Uの字を描いて林の向
こうに消えていった。
月曜日は作業療法士さんの訪問の日。
母は持ち時間の40分をおしゃべりと訴えで終えてしま
う。母の口は閉じることを知らない。「娘がそんなこと
言ったら認知症だと思われるわよ」(そんなこと言わな
い。物忘れは自然現象だから)と言っているのは母の本
心なのだろうなあ。認知症だと思われたくない強い気持
ち。でも母は認知症ではない。思いつめる気持ちが強過
ぎて分裂してしまっているのだと思う。
足がバンバンに腫れているのは、このところ寝室で寝て
ないせいなのだけれど、夜は人が入ってくるから見張っ
てないといけない、あらゆるものに毒が入っているから
こわくて食べられない、塩の25キロにも入れられて使
えない、どうしてこんな辛辣なことをするのか、でもこ
のことを誰に訴えに行けばいいのかわからない、女は二
人、男は一人、クロロフォルムのようなものをハンカチ
に染み込ませて振ると寝てしまう、どこから入ってくる
のか天井を剥がすのか、地下から来るのか。
安部公房の小説にこんな恐ろしい物語があったような気
がする。
作業療法士さんは今日は、困惑している気配がある。
頭のことはどうにもならないけれど、足の腫れは横にベ
ッドに横になれば改善されるはずだから、彼女の口を借
りて、「小窪先生が横になれば足の腫れは引く」と言っ
ていたことを伝えてもらう。
一月、二月、三月、去年も母がおかしかったのは、領収
書の項目を見ればわかった。毎日のように送っても、送
っても、満足せず、精神安定剤のようにもっと欲しがる
気持ちと、毒が入っていると捨ててしまったり、隠した
りして、春はどこかおかしくなる季節なんだろうか。
作業療法士さんが帰った後、母は小窪先生の名前を聞い
たせいか、小学生のように素直に寝室に向かった。
午後雪。
ぼたん雪が降ってきた。
―――――-ごはん
寒過ぎて、お寿司という気分でもなく、
春巻きを作る。
春巻きのご馳走感は「包む」というところかなあ。
それに、お祝いの時に春巻きを食べるそうですし。
包んだのは、春雨餡と春玉ねぎ入りの二種。
ほかに春玉ねぎのスープと白いごはん。

夜のご飯
寒くてお鍋に戻る。
豚軟骨、豆腐、昆布。
もやし炒め(ヒゲ取りはヒゲの人の手で)
焼きお揚げ
塩ネギ


