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日々の皿

目眩とピザ

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台所で体が迷子のようになって、包丁を取りにゆく

手が彷徨う、計量器は下ではなく上で、コンロに向

かうのは札幌は南側、東京は反対の北側。足がもつ

れて、ああ、ワインヴィネガーはあっちの棚だった

とすんなり作業が進まない。

春の札幌の台所ではもっとひどかったけれど。


ガスコンロの観音開きの扉の奥にジェラルミンのよ

うな輝きを見つけて、はて、これは何だろうかとさ

らに覗き込むと、蒸し器。

そうだ。

柿本さんから去年とおととしの春に二度聞いたあれ

、白くてプルプルしている巻物のこと。わたしも名

前を思い出せなかったけれど、たぶん腸粉のことで、

練習して今年の春のお花の会のお土産にするために

買ったんだった。だから蒸し器はまだ一度も使って

いない。


食料庫にしている、半間の押入れもどうなっている

のか。

8月はすこし落ち着けるから、ようやく確める気に

なって開くと、人のうちの棚を眺めるように新鮮だ

った。

定期便で取っている油がかさんでいっぱい。白米に

玄米、調味料に乾物、缶詰の類も調べておく。

ナッツ、ドライフルーツも箱にがさっと入っていた。

小麦粉はどれも賞味期限が間近で、切れているのも

あって、この強力粉、薄力粉、地粉、全粒粉、ライ

麦粉はざっと計算しても12、3キロはある。変な

味がする、舌が痛い、調子が悪い、違うのがいい、

これは硬い、本当に有機なの?と迫られて、粉やナ

ッツやフルーツを変えては焼き、母にパンやケーキ

を送っていたかつての自分の姿、母に向ける情の残

骸を見ているようで呆然とした。


暑い。けれど、パンを焼いた。


そして、思い出した。

母に焼いていたピザのこと。あれはこねなくてよい

し、冷蔵庫に生地を持っておけばいつでも食べられ

る。

先生は内田真美さんの、水分量80%の高加水生地

の本で、けれどこの猛暑に最高温度まで上げるオー

ブンを使うのは酷なこと。なので、作り方は変えた。


無水鍋の蓋に生地を広げて具材をのせ、ガス台の強

火にかけて2分底を焼き、グリルに変えて13分ほ

ど上火を入れる。予熱も要らず、部屋もそう暑くな

らず、粉は毎日少しずつ努力の跡を見るように減っ

てゆく。


具材はまったくの自由で、トマトソース、トマト、

ピーマン、玉ねぎ、ジャガイモ、きゅうり、ゴーヤ、

茄子、ブルーベリー、カレー粉を使えば食欲が進む。

チーズは胃の調子で使ったり使わなかったり。




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今日はパスタの友に、生地にキャラウェイシードを

練り込んでチーズはなし。トッピングは玉ねぎだけ。

昨今オリーヴオイルは高すぎてたっぷり使えないの

で、香のりよい菜種油に変えているけれど、遜色な

し。発酵三日目を過ぎた生地を焼くと、ぷくっと膨

らんで、まるでフォカッチャのようになる。


種をタッパーに作っておけば、食べたい時に、食べ

たいだけの分量をちぎって焼いていただけるところ

も気に入っている。形を整えて二次発酵をして、オ

ーブンで焼くと、フランスパンのように焼き上がる

のもよいところ。


内田さんの本にはケールのピザも載っていた。

ちょうど苦味の強いゴワゴワした紫のフリルレタス

を持て余していたので代用すると、葉っぱの旨みが

増して、胡桃との相性もとてもよく、ビールが欲し

くなる。




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それにしても今年はペリエの減りが大変にはやいです。

植物たちも水不足で萎れていたけれど、きのうの嵐

で葉を伸ばして気持ちよさそう。

2025.9.12



 


きゅうりのピザ
旨味がないので、ズッキーニと混ぜたほうがいいですね。
辛味に酢漬けの青唐辛子を添えます。
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チーズとブルーベリー玉ねぎのピザ
これは白ワインに合うことでしょう。
アルザスっぽい食べ物とも相性がよいだろうなあ。
酸っぱいキャベツ、煮込み料理など。
そうだ、アルザスワインがよいでしょう。ゲヴュルツトラミネールなど。
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ベーシックにトマトソース、ジャガイモ、玉ねぎ
ブラックオリーヴ、バジル
そう、この円形の無水鍋の蓋を使って底を焼いて、
そのままグリルで上面だけを焼いています。

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カレー粉を混ぜると何となくトルコ風になる。
インド風ではないのが不思議。
ジャガイモ、ピーマン、トマト、チーズ。
ペリエはピザの友。

暮らしがすこしずつ戻って来ています。
今朝は、アルヴォ・ペルトを聴いて泣きました。
余白に耳を澄ますことをすっかり忘れていて。

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by hibinosara | 2025-09-12 07:58 | Comments(2)
Commented by shimaka-info at 2025-09-12 12:26
ご無沙汰しております。
どれもこれも美味しそうです。
読んでいると何とも簡単そうで私でもできそうな気がする!と錯覚しそうです。
ドライイーストの匂いがどうにも苦手なのと、オーブンを使いこなせないのでパン作りを諦めていたのですが、再挑戦してみようかな…(笑)

そちらはまだまだ酷い暑さですね。
どうかご自愛くださいまし。
Commented by hibinosara at 2025-09-13 06:02
> shimaka-infoさん
こちらこそご無沙汰しております。

生地は作ってから四日くらい持つのですが、48時間くらい経つと、イースト臭はまろやかになります。オーブンを使った方が美味しいのかもしれないのですが、今は、直火とグリル機能を使っています(暑いので!😀)。小麦粉をふるいにかける、と本にはありますが、泡立て器でよく混ぜるだけでOK。強力粉と薄力粉を混ぜるとありますが、地粉はフランスパンが美味しく焼けるので、南部小麦100%でもいけると思います!
小麦粉、塩、砂糖、イースト菌、水、をゴムベラで合わせて、タッパーで保存するだけですよぉ😀



岩手はもうそろそろ涼しいのでしょうか。
夏のお疲れが出る頃ですね。ご自愛ください。
東京は昨日などは過ごしやすかったです😀