12月14日
毎日、オンラインをオフにするとき、これが最後かもしれ
ないと思う。
裂けた上行大動脈の残った一枚は薄皮となって瘤を作り、
5月の時点で7センチ。母の命を守っているそれは心臓
の上にのっているらしい。今は12月。薬で冠動脈を広げ
、血圧をコントロールし、便は常に柔らかくすることで、
薄皮を守っているけれど、血液は今も母の大動脈を通っ
ている。
痛くはないのだそう。
5分ほどで終わるのだそう。
家で介護をしているときに、母は叫び声をあげて死んだ
ふりをした。母の脈をとりながら、頭が白くなって縮ん
でゆく自分を落ち着かせ、こうやって母は死んでいくの
だ。救急車は呼んではいけない、心が落ち着くまで誰も
呼ばなくてもよい、看護ステーションからもらった冊子
の文を思い出していた。
母の命は一週間と宣告されていたから、いつもは疑い深
い私も(痙攣の演技をしている母は嘘っぽいし)見事に、
引っかかった。
全く。
とは思うのだけれど、親子は不思議な絆です。
きのうラインは面倒になったと言っていた母だけれど、
実のところアップデートができなくて使えなかったよう。
最初は機械がおかしいのよ、と言っていた母はふっと笑
ってここかしらと人差し指で自分の頭を指した。
折り合いがつけられるようになってきたんだなあと、
娘はあたたかい目で感心して、母を見つめました。
アンインストールをタップしそうな母の指についつい
大きな声が出てしまう。

